昔この町の川にはモクズガニが多く生息していた。

上海蟹の近縁種であるこのカニは貴重なタンパク源であった。

ダム湖となってしまった今では個体数が激減したが、堰堤をよじ登ってくる猛者がいるのか少数がまだ見られる。

一本北に位置する町の河川では大きなダムが出来なかったので今でも多く生息しているらしい。

その川にある小規模水力発電所の保全作業に友人がかり出されている。

取水口に堆積したゴミを取り除く作業で鼻歌仕事であるらしい。

そのとき副産物のモクズガニがうじゃうじゃ捕れるるそうだ。

何と言ってもカニであるからそれは美味い。

彼の家族は毎日モクズガニ料理を食べ続けてきた。

その影響が出始めてきたようだ。

彼の家族は歩き方が少し違う。