3日放っておいたら畑がやけに青々としているではないか。
雑草だ!
やみくもに草むしりをやり出すが30分で音を上げた。
降参ギブアップ、参りました。
草の生長能力に私の草取り能力が追い付いていない。
お隣のk子さんの畑は何故草が生えないのだろう?
不思議だ、聞いてみよう。
k子さん、「見事に育った雑草畑ね~」
太郎、「うっへ~、ほんの3日でこうなったんですよ~」
「k子さんの畑は何故雑草が生えないのでしょうか?」
k子さん、「良く気付いたわね」
「一朝一夕で出来るものではないわよ、ふふ」
太郎、「薬、ですか?」
k子さん、「私は農薬を使ったことはないわ」
太郎、「火で焼き尽くすの?」
k子さん、「火も使わないわ、頭を使うのよ」
太郎、「頭?、まじない、でしょうか」
k子さん、「まじないじゃないわ、数値管理よ」
太郎、「?」
k子さん、「教えてあげるからコンベックス持ってきて畑の面積を出してみなさいよ」
太郎、「おおよそ20m×10mだから200㎡です」
k子さん、「メートル法はピンとこないわね尺貫法で言ってよこの辺は尺貫法が指定単位よ」
太郎、「約60坪です」
k子さん、「一巡約2ヶ月ね」
太郎、「何が?」
k子さん、「1日1坪くらいなのよ」
太郎、「嫌な予感」
k子さん、「そう、取り尽くすのよ、根1本、種1粒まで残さず全部」
太郎、「やっぱりそうなの~」
k子さん、「2ヶ月経って元の位置に戻ってみるといいわ」
太郎、「又、嫌な予感」
k子さん、「取りこぼした種や風が運んできた種が芽吹いているから又取り除くのよ」
太郎、「やはり」
k子さん、「延々と繰り返すのよ、徐々に少なくなっていくわ、そうやって長年の苦労で作り上げたのよ、私の珠玉の畑は」
太郎、「完璧は求めないのですが」
k子さん、「それなら敗北宣言してシートでも被せてしまうのね、私は戦い続けるわ畑は戦場なのよ」
太郎、「うっへ~、草取りひとつも死に物狂いなんだな~」
花器 銘:広く奥深い大地
Kenichi Museum
