現在進行形
韓国の最高裁は第二次大戦中に強制労働させられた韓国人からの訴えを聞き、日本の製鉄会社に賠償を支払うよう命じた。
日本政府は遠い過去に解決済みだと言い、もう日本人は忘れてしまったことでもあるけれど、本人たちにとっては忘れられないことだろう。
”忘れられない権利”を望んでいる人々は大勢いる。
福島の原発事故を始め被災地では家に帰れない人々が未だ大勢泣いている。
忘れっぽくなった私たちはそのことを忘れてしまってはいけない。
一方、”忘れられたい権利”を望む人もいる。
ネットから自身の情報を消し去ってしまいたい人たちは沢山いるだろう。
過去の自分を子供たちに知られたくない親や、罪を掘り起こされたくない人々が”忘れられる権利”を主張する。
高度な情報化社会でも崇高な情報は伝わりにくい。
”忘れられる権利”も”忘れられたくない権利”も、どちらも人の心に沿わず行使が難しくなってきた。
Kさんは仏様のような心を持った私の大好きな先輩だったから、会社に戻ってきたとき私は本心で嬉しかった。
しかし、仏の心に付け入ったような職場での使われ様には、つい「戻ってこなければ良かったのに~馬鹿なんだから~」と、言ってしまうのだった。
過去に早期退職制度を利用してスッパリ辞めていった狡っ辛い連中のことはすべて忘れてしまったけれど、Kさんのことだけは一生忘れられないだろう。
優しく強い人達に助けられて今妻はおとぎの国に居る。
