次なるドキュメント
I君と二人で木曽方面にツーリングに行った。
開田高原という日本離れした牧歌的風景から離れ、御嶽の山腹に入り込んだ。
上ったり下りたりのくねくね山道の連続にGPSを持たない私は先ほど通った同じ道のような気がしていた。
対向車は無い、山の神の怒りに触れて迷路に閉じ込められたかな?そんなことを考えていたら気分が悪くなってきた。
下りになるとホッとする、里が近づいてくる予感、しかし又上り道に変わる。
右へ左へとバンクさせるバイクに振られて酔ってきた、文字通りのバイク酔いだ、早くこの山を下りたい。
どうにか人里まで下りてきて人心地付いたが、二度とこの山には来ないぞと決心した。
3週間後、御嶽は噴火して大勢の人が無くなった。
墳石が空から降ってくる中では運に任せる意外にない。
こぶし程度の石でも新幹線なみの速度で頭に当たれば助からないだろう。
しかし防御策は有る、活火山には近づかないことだ。
この度の西日本豪雨災害ではコアストーンと呼ばれる大きな岩の存在がクローズアップされた。
この数トンもの質量の花崗岩は日本中の山に埋もれて有るそうだ。
緩んだ地盤がコアストーンの質量を支えきれなくなって転がり落ち、土石流となり人の生活圏を破壊する。
”雨降って地固まる”とのことわざは自然界では通用しないようだ。
裏山に不安定なコアストーンが埋もれているかどうかは運次第なのだ。
自然災害が多い日本に住んでいるということは、神頼みも多くなるのが必然だ。
田舎の神棚でカリカリに枯れ切っていた榊を新しいものに替えておいた。
ところで御嶽の救助隊はあの道をジープや軽トラで上っていったのだろうか?大変だったろうな~。
この頃に妻はふらつきが酷くなって自転車に乗れなくなり、通っていたジムも辞めている。