一見、何ともない青年
彼は檻の外に出たいのです
出たくて出たくてたまらない
しかし出ることは出来ないのです
彼の保護者が許さない
「どうしたら此処を出ることが出来るのでしょう?」と聞いてくる
同室のO氏と共に考えてやる
何が出来る?
「何も出来ない」
得意なことは?
「?」
家族との関係は?
「嫌いだ」
父上が?
「そうだ」
仕事をする気は
「無い」
自分の病気は解っているか?
「?」
家督を継いではどうか、坊主に資格はいらんだろう?
「父が許さない」
おとなしくしていることだな、時が解決してくれるかもしれない
話をする間もナースに色目を使う
その種の病のようだ


寺には置けない人物のように思う。