信頼をしていた
数々の局面で裏切られたことがない
ある夜友人と語る
ヘベレケまで語る
帰り道は女房に二人乗り
無防備な頭部に当たる風が心地よい
繁華街ですれ違った”正義”が吠える
止まれと言うが止まれない”事情”がある
聞こえぬふりして行く先を読む
信号は三つともブルー
フルスロットルを選ぶ
街中で四輪に負けた覚えは無かった
正義がUターンして追いすがってくる
猛加速ぶりに不安がよぎる
重量増加を失念していた
三つ目の信号をセーフですり抜ける
罪を重ねなかったのは偶然
正義はサイレンを鳴らし深夜の街を起こす
後戻りは出来ない
裏道バトルには些か歩があった
正義を従え路地裏を逃げ回り
セーフティエリアに逃げ込む
サイレンが沈黙した

女房に感謝してベッドに沈む。