O氏に地球を割ってもらう。
地べたにくさびを当て6ポンドでコツンとやる。
「割れんな」
もうちょっと
「無理やと思うけどな」、ゴツン。
割れた!、
ゴッドハンド。
地球の中心部は眩しく輝いている。
測ったことはないが6000℃。
太陽表面と同じくらいの温度だ。
物質は高温になるほど、冷めた赤色から眩しく輝く白色へと変化していく。
地球中心は岩石も蒸発するという高温を高圧で封じ込めている。
誕生から悠久の時を経ても尚、地球の情熱は高揚を保っている。
美しき青の惑星も実は危うき凶暴なエネルギーを隠し持っているのだ。
地表近くにプレートと呼ばれる冷えた岩盤が有り、その外側、
頭蓋骨を包む頭皮や惨めな頭髪の如く、風雨に晒され砕けゆく私たちの生活圏が有る。
冷え固まった惑星とは異なり、地球の情熱は何時噴出してくるか分からない。
無数の活断層や火山がその歴史の証拠なのです。
頭が温まり過ぎたからとスイッチを切ることが出来る人間とは異なり、
地底のエネルギー放出は人知でどうすることも出来ない神の所業なのです。
太陽の核融合エネルギーも突然盛大なフレアーを吹きだして宇宙空間を乱すものです。
予測できない神のくしゃみを恐れておくのは・・正しい判断です。
私達は地表の岩を砕いて粉にするようなことばかりしています。
粉を岩に戻すような可逆的能力や時間は持ち得ません。
与えられた容量を悟り長く生き延びる方法を選ばねばなりません。

問題
地べたに穴を掘っていき地球の裏側まで貫通させる、
その穴にあなたの一番嫌いな人を落とします。
さて、
あなたの一番嫌いな人があなたから一番遠くまで離れるのに要する時間は?
地球直径を12750kmとすると、
重力加速度gが一定を保つとの反則的仮定で、
t≒√12750000/g×2sec
約1140×2sec
約38分で数百万気圧と数千℃の地核を時速4万kmでシュゴッと抜けて、
地球上のあなたから一番遠い場所迄、落ち?ていきます。
更に38分後、
再度あなたの足元に湧き出てくるか、
又は、
裏の海岸で魚を拾い始めているかは、分かりません。