私はとある病院の7階で新米看護師をしていた。

 

遠く離れている場所でも、思い出す。

 

あの日感じた、立っていてもはっきりと感じた揺れ

あの日巡回中の患者さんの病室のTVから見た、日本とは思えない津波の様子

大きな波が、全部さらっていった。

言葉が、出なかった。

自然の力には、圧倒的にかなわない。

今まで人間がしてきたことに、自然が牙をむいてきた

そんな印象だった。

 

あの日から今日で丸8年。

今となってはいつどこで地震が起きてもおかしくない。

妻となり、母となった今。

あの日以上に、【もしも何かあったら。】を考えるようになった。

 

守るべき家族があると、人はおのずとそう思うのだろうか。

自分の命より、子供を守りたい。

防災グッズも、子供が生まれてから急いで準備した。

家を建てたときも、地震に強い家にしようと旦那と話し合い、

いろいろなオプションをつけてもらった。

定期的に見直さないといけないけれど

とりあえず、一通りそろえば安心だった。

 

ニュースの報道が少なくなってきている今でも

被災地では毎日を必死に生きている。

復興に向けて、少しずつ歩んでいる。

 

自分に何かできることはないのだろうか?

そう思い、復興支援に役立てばと少しだけ募金をしたり

被災地の商品を買ってみたり。

東日本大震災だけでなく

熊本地震、北海道胆振地震、西日本豪雨・・・・・・

 

全部自己満足なのかもしれない。

それでもいい。

その日、その日で自分が思ったことが出来れば。

遠く離れた場所で、縁もゆかりもないけれど

その時その時を、一生懸命に生きて

前を向いて、乗り越えようとしている人がいる

先の見えない日本情勢だけど

未来を信じている人がいるなら。

私も、少しだけ未来を信じてみたいから

 

残された人たちが、胸を張って

惜しくも亡くなっていかれた人たちへ。

何か伝えていけるとしたら……

生かさなければいけない教訓も含めて、

今を、あなたの分までしっかり生きているよ。と。

それだけで、良いと思う。

 

 

 

 

 

 

亡くなられた方々に、謹んでお悔やみ申し上げます。