与党・明正党の総裁選で惜敗しながら、
野党議員の投票により日本初の 
女性総理大臣となった三崎皓子。
党の重鎮議員の反対で組閣もままならない。
そんななか、危機管理官より、
「秩父に大雨が降っており、
このままでは荒川が決壊、
都心が水に沈む可能性がある」
との情報が入る。
さらに追い打ちをかけるように、
台風八号と九号が発生。
皓子は日本では例がない
「緊急事態宣言」を提案するが、
経済の停滞を理由に
閣内で反対の声が上がり――。
 荒川河川事務所の所長・里見はその頃、
隅田川流域への被害を
回避すべく奮闘していた。
刻々と上がる水位、そしていよいよ、 
水門を閉める決断をするときが来た――。
 あかね銀行のディーリングルームではその頃、「なんだこれは!」絶叫が響いていた。
一瞬でドル円相場が20円も飛び、
159円をつけたのだ。
「ガラだ! 大暴落だ!」――。
 東京都心を直撃する大規模な自然災害、
ゼロ金利政策を続ける日銀への信用不安。
いつ現実のものとなってもおかしくない
二つの危機に襲われた日本を、
皓子はどのように救うのか?