タイトルの通り、今日は児童相談所の一次保護所での1日を紹介します。児童相談所によってルールも1日の流れも全く違うものだと思いますが、私がいた所は割ときっちり管理されているところでした。


一次保護されている間は学校にはいけませんし、外出も用がある場合職員と共に行くか、ワーカーさんに許可を貰って保護者と行くかなので、子供だけで勝手に出るわけには行きません。


一次保護所に滞在する期間の平均は2ヶ月程です。どんなに長くても半年以上いることはまずないと思います。少なくとも私の周りにはいませんでした。


数ヶ月の期間、保護された子供たちは施設の館内でずっと過ごすことになり、外の世界とは遮断されることになります。


以前書いたように、テレビは基本1日30分だけでニュース等の情報番組を見る事は出来ません。新聞も読めないし雑誌も週刊誌ももちろん読むことが出来ません。退所した後数ヶ月ぶりに外の世界へ行くと時代をワープしたような不思議な感覚になりました爆笑


そんなある意味隔離された世界での1日の流れを紹介します。


スケジュールは大体以下の通りです。

もう15年も前の話なのでもしかしたら間違いも多少あるかも知れませんがご了承ください。



7:00 起床(先生チョイスの音楽が目覚まし代わりに館内に流れます。GreenやAqua Timezが多かったです)


着替え&洗面


居室と担当箇所の掃除


終わった人から下の居間に行って自由行動


8:00 みんなで朝食


9:00 休み時間


9:30 朝礼

点呼した後、その日みんなで20時から観るテレビ番組を決める。

シャワーの時間もこの時言われる。

電子ピアノ、スーパーファミコン、録画ビデオのいずれかを1日30分間借りることが出来るので、借りたい人はこの時間に伝えて予約を取る。録画は先生にお願いする。


10:00 朝の運動

運動ホールかグラウンド


11:00 勉強

学習ルームへ


12:00 昼食


13:00 中学生以上は勉強、小学生以下は運動or工作


14:00 中学生で希望者は勉強、それ以外は運動等


15:00 おやつ


15:30 掃除など

曜日ごとに掃除箇所が決まっています


16:30 休み時間


17:00 夕食


18:00 休み時間

この間にお風呂に入る人が多いです


20:00 テレビ鑑賞


20:30 歯ブラシ、着替え、日記を書いて提出


21:00 消灯


大まかにこんな感じでした。

スケジュールは全然きちきちしていなくて、間に10分や20分の休憩が沢山ありのんびりしていました。

学校と全然違います。


職員もワンオペとかはないので、恐らく学校現場で働くよりも基本ゆったりしているのではないかと思います。


ちなみに小学生未満の幼児さん達は別の部屋があり、スケジュールも完全に別でした。休み時間になると居間に来て一緒に遊ぶこともあり、本当に可愛くて癒しの時間でした。


勉強時間も、普通の学校に比べたら全然少ないですし新しいことを学べるのではなく過去の復習の教材をやるような感じです。ドリルは学校からの持ち込みの人もいましたし、保護所で支給されたものをやっている人もいました。


原作学習ルームで教材は預かられて、学習の時間にだけ配布されます。これも破ってメモ用紙などに使用し友達同士で手紙のやり取りなどをさせないためです。


私は受験生ということもあり、また真面目な性格を見込まれて特別にノートや参考書やドリルを学習室の外に持ち出して自主勉強をすることを許してもらっていました。

ちゃんと全て先生手書きのページ数入りでしたが笑い泣き


学習室の管理は、恐らく教員免許を持っている先生がしており、分からない所は質問して教えて貰えました。

塾に通ったことがない私にとって、この質問したら教えてくれるシステムはとてもありがたかったです。


寝る時以外は、居室ではなくみんなで過ごす居間で過ごす決まりでした。休み時間によってはグラウンドに出て遊ぶ事も出来ます。ですから、勉強しようとすると周りの子達のワイワイが耳に入ってきてしまいますが、母親の金切り声に比べたら何も問題がなく快適でしたので、ここに来て初めて受験勉強というものが出来た気がします。


スケジュールは基本毎日同じですが、土曜日だけは朝の勉強時間にみんなで学習室でビデオ鑑賞の日でした。日曜日は、ごめんなさい。全く覚えていないですあせる


些細な楽しみとして、毎週火曜日は食堂のおばちゃんの手作りおやつの日でした!これが本当に美味しい。

それ以外は、お皿に申し訳程度に盛られた市販のおやつです。


あと時折行事があり、グラウンドで夏祭りをやったり、みんなで動物愛護センターや動物園、サッカー観戦に行ったりもしました。


妹は心理士さんにお願いして、一緒にお菓子作りをやったと話していました。私もおこぼれを貰って食べたのを覚えています。


ここまで読んでくださった方は、一次保護所に保護されている子達にどんな印象を持つでしょうか。


思春期の大切な時期を、自由がない閉鎖された空間に閉じ込められて可哀想と思うでしょうか。


携帯電話もテレビも雑誌やゲームも自由に楽しめないなんて、なんて窮屈なんだと思うでしょうか。


朝起きて夜寝るまで、他人とずっと同じ空間で過ごすことに耐えられないでしょうか。


多分人によって感じ方は違うかと思います。

夫に話したら「本当に無理なんだけど」と絶句していました。


私は1ミリも窮屈さを感じませんでした。

元々携帯電話を持っていませんでしたし、テレビを見なくても外で遊んだり、勉強したりの方が充実して楽しいと初めて思えました。

何度も書きますが、母親の怒鳴り声がないのが本当に快適でした。

優しい先生達に「守られている」感覚が心地良かったです。

四六時中、みんなと顔を合わせているわけですが互いに干渉し合うわけでもないので窮屈さはありませんでした。

支給されたジャージしか着ないので、オシャレに気を使わなくて済みますしダサいもイケてるもなく楽でした。


そんなこんなで、私は

「児童相談所っていいなぁ。出来る限り長く滞在したい!」

と本気で思っていました照れ

妹のミミも児童相談所は楽しかったと言っています。


気軽に子供を預けていい場所ではないですが、辛くて育てていく自信がない親御さんは、そんなに気を負わず預けていい場所だと私は思います。