人を知らない人ほど、
「他人も自分と同じようなものだろう」
と何となくそう考えてしまうものです。

ゆえに、自分ができることは、
他の人も同じようにできるのだ

勘違いしてしまうものです。例えば、

「自分はこの仕事を1ヵ月で覚え、かつ、
 自分はこの仕事を3日で完了できる」

となれば、その人にとってその仕事は、

「1ヵ月で覚えるべき仕事であり、
 3日で完了させるべき仕事」
という認識になります。

しかし実際には人によって個体差があり、
その仕事を1.5ヵ月で覚える人もいれば、
完了までに1週間かかる人もいます。すると、

「どうしてお前は期限までに作業が完了できないんだ!」
と怒るわけですが、作業している側からすると、
「だって個体差なんだもーん!」という話です。そうして、

「努力が足りん!」と行き着くところは根性論となります。
そんな気持ちも分からなくはないですが、
どんなに圧力をかけてもできないものはできないのです。
それどころか恨みを買いかねません。

個体差を無視する職場ほど、人を見ず仕事を見て、
「ここでは結果がすべてだ!」などと言い出し、
「終わるまで帰るな!」のブラックな風土になっていきます。

自分ができるからと言って、
目の前の人も同じようにできると考えてはいけないのです。
自分が仕事熱心だからと言って、目の前の人も
同じように熱心に仕事するというわけではないのです。

これは、自分が相手のことを好きだからと言って、
相手も自分のことが好きとは限らないことと同じ
です。

(続)