人の心が移りやすいのは、第六天の魔王 別名天子魔(てんしま)・他化自在天(たけじざいてん)がこの世の中を支配しているからです。

大聖人様は、
「日本国中の諸人は仏法を行ずるに似て仏法を行ぜず。

適仏法を知る智者は、国の人に捨てられ、守護の善神は法味をなめざる故に威光を失ひ、利生を止め、此の国をすて他方に去り給ひ、悪鬼は便りを得て国中に入り替はり、大地を動かし悪風を興し、一天を悩まし五穀を損ず。

故に飢渇出来し、人の五根には鬼神入りて精気を奪ふ。是を疫病と名づく。一切の諸人善心無く多分は悪道に堕することひとへに悪知識の教を信ずる故なり」

と仰せであります。

要するに、国中に邪義邪宗が爛漫し、他方へ去った諸天善神に変わり悪鬼魔神が世の中に跋扈し、人々を悪道に堕としめ成仏させまいと、人々の身心に入り込み三毒煩悩を活発化させ、人生を破壊して不幸に陥れようと暗躍しております。

大聖人様は、
「ふかく信心をとり給へ。あへて臆病にては叶ふべからず候」と仰せのように、魔に突き入る隙を与えること無きよう、こうした世情に臆することなく、油断怠慢無きよう強盛なる信心を奮い起こして、真剣な勤行・唱題を行ずることが肝要であります。

また、勤行・唱題には余念・雑念がつきものです。

いくら大聖人を信じてると心中で思っていても、第六天の魔王がこの世の中を支配している限り、あの手この手難を次々降りかかるように、いろんな問題が発生してきます。

難あらずんば正法とは言えず。

正しい法を実践すればするほど難が起こります。