真白「ああああ、負けた!!」

 

亜琉「初心者が覇王に挑むなんて無謀すぎるよ・・・」

 

真白、もといガブリエルは、はじめに勧められ、はじめと同じ高校へと通った。

 

そこで知り合った、野崎・亜琉(ノザキ・アル)の家でオンラインの格闘ゲームをしていた。

 

そして対戦した相手は、『覇王』。全てのゲームの頂点に立つプロゲーマー。

 

その顔はとてもガブリエルに似ていた。

 

真白「チッ、初心者っつってんだから少しは手を抜いてくれてもいいのによ」

 

亜琉「手を抜いてるほうだよ。あれが上級者ですとか言ってたら、30秒も持ってないね」

 

『覇王』は基本誰の相手でも受ける。初心者であれ、上級者であれ。

 

亜琉もたまに覇王に挑むが、いくら『並行世界のノワール』でも勝つことができなかった。

 

真白「っしゃあ!勝つまでやってやるぜ!」

 

亜琉「あ、僕にもやらせてよ。リベンジしたいしね」

 

               ————数時間後・・・・・———

 

ガブリエル「お~い、帰ったぞ。げぶぁ!!?」

 

ガブリエルが扉を開け、家の中に入ると、頬を膨らませたはじめのボディーブローを

 

叩き込まれた。

 

はじめ「遅い。何やってたの?」

 

ガブリエル「何だっていいだろうが!!いきなり殴んじゃねぇ!!」

 

今のこの現状も十分修羅場だが、明日の朝は、さらに修羅場と化す。

 

 

              3秒で崩れる日常

 

青一色の澄み渡る空。先程まで大雨が降っていたにも関わらず、そんなことは嘘のよう。

 

正に青天の霹靂というものだろうか。ずぶ濡れの道を二人の高校生が歩いていた。

 

一人は黒い髪を耳元まで伸ばし、ぼさぼさの髪をかき上げている。名前を、

 

宵闇・祐也(ヨイヤミ・ユウヤ)。名前は中二病のようだが、彼は普通である。

 

自分より体の大きい不良を10人を一人でひねり潰す以外は。

 

祐也「・・・・・あ!お前俺のプリン食ってないだろうな。あれ三時間ならんで買ったんだぞ」

 

???「はぁ、プリン一つで怒るなんて、地球人はやはり蛮族ナーノ」

 

祐也「やっぱ食ったんだな!!」

 

妙な喋り方をしている娘は、美海・剛夢。元は、宇宙からこの星の事を調査しに来た

 

異星人。美海を拉致、監禁し、手術で自分の脳と美海剛夢の脳を一体化した。

 

故に、その異星人の性格は残っていても、価値観は地球人と同じだったりする。

 

そして、よく地球人を馬鹿にする。

 

美海「あの程度のプリンなら、復元して無限に作ることも可能ナーノ」

 

祐也「え、マジ!!?」

 

美海「大マジナーノ。なんなら今すぐに・・・・で・・・・も・・・」

 

二人はうなじに鋭い痛みが走ると、そのまま深い、深い眠りに落ちた。こうして

 

崩壊を始めた日常。その速度は、体感にして3秒。