Q&A「Lvが12にアップしました」

 

 そんな声などお構いなしという風に、真っ二つとなった騎士の死体をあさっていた。

騎士の遺留品は、内側が黒焦げになった兜と、真っ二つになった鎧。そして、

手からあふれ出るほどの金貨!

 

黑魔「うっひょう!!こいつは儲けたぜ!!」

 

黑魔は歓喜の声を上げ、ポケットの中に詰め込み、また死体をあさり始めた。

 

Q&A「もうよくないですか?ざっと見て5000Gはありますよ」

 

Q&Aの問いを、即座に切り返した。

 

黑魔「他になんかあるかもしれねぇだろ。例えば・・・有った。これとか」

 

死体の懐には使い古された果物ナイフがあった。それを自分の目の前に突き出した。

 

Q&A「果物ナイフですか。あまりいいものには見えませんが」

 

黑魔「良いものじゃなくていいのさ。使えればな」

 

それから数分間、死体を漁った後、ウィルの居るはずの場所に向かった。

そこで黑魔が見つけたのは、ぶかぶかの服を着た、三歳ほどの、頭に頭がい骨の

上あごの部分を帽子の様に被ったかわいらしい男の子だった。

 

Q&A「あれは、ウィル・オ・ウィスプの進化した姿ですね。非常に珍しい。

     魂だけの存在が肉体を手に入れたのは、ごく稀にしかいないのです。

    そもそも、ウィルが生き残ることの方が珍しい。あなたとパーティを組んだから・・」

 

Q&Aの説明など耳に入ってはおらず、黑魔の頭には、次の事しかなかった。

 

黑魔「きゃわいい~!!」

 

ウィル「!?!?」

 

その後、小一時間ウィルは黑魔に撫でまわされるのであった。