一「先輩~、何処ですかぁ~?」

 

サキ「後ろよ、一ちゃん」

 

一「先輩~!!どこ行ってたんですか、探しました・・・」

 

後ろに立っていたのは、残念ながら先輩じゃなかった。金髪の知らない顔の人物。

彼は私の頬に指をあてた。するとそこから、顔の一部がはがれていく!

 

一「うわ!!」

 

慌てて避けた私だったが、視野が半分ぐらいになっている。なのに全く、痛くない。

 

???「『も~、避けないでよ。一ちゃん。』なんつって」

 

声がまったくサキ先輩と同じ。これが彼の能力・・・・じゃないか。じゃあ私の身に起きてるこれは何だって話ですよ。そしてよくみると、彼は何か黒っぽいものを持っている。

 

???「ん?サキさんの声がどっからしてるのって顔してんな。教えて進ぜよう。

     俺の特技として、誰かの声を真似ることができる。これで忘年会の一発芸

     に俺は一回も困ったことがねえ!ハハハハハハハハハハハハ」

 

随分愉快な人だ。こっちは顔半分おかしなことになってるんですが。

 

                        グサッ

いつの間にか、私の胸に投げナイフが刺さっていた。こんなもの、

 さっきは持ってなかったのに。

 

???「それも意味不明って顔してるな。ヒントを言っておくと、

      自分の顔をよく見てみろってことだ。」

 

私は視野が消えた顔半分の方を触ってみた。だが、触れなかった。存在していなかったのだ。

顔半分が、消し飛んでなくなっている。

 

一「な、なんですかこれ・・・」

 

???「何ですかも何もそれが俺の能力だ」

 

私は、余りの出血とショックで地面に倒れた。

 

 

 

カエデ「執事長!!何処だ!!シルヴァ!!」

 

大声で叫んでいる、この偉そうな青髪はカエデ。俺と同じ執事見習いから入ったのに、

何故か異様に出世し、今では女王補佐ときた。裏金疑惑とかいろいろあるが、

本当にただの実力なのだから腹が立つ。能力は半径三メートル以内に入った動物を操る。

能力を使うときは射程距離内に真紫の霧が立ち込める。

 

プリン「どーしたんですか?カエデ」

 

こっちのポニーテイルのメイドさんは、メイド長、プリン。妹がいて、そっちはモデル体型なのに

プリンは発育があまり良くなかったらしい。能力は、折りたたむ。動物でも物体でも、

折り紙のように折りたたむことができる。だから持ち運びにすごく便利。

やろうと思えば人間も誰にも気づかれず持ち運びできる。

 

カエデ「シルヴァが女王陛下をお一人にさせて、どこぞをほっつき歩いているので

     連れ戻そうと思ってな」

 

プリン「あら、そうなの。大変ね。でもそんな事ならレオンにでも頼めばいいのに」

 

カエデ「レオンは忙しいだろう」

 

アイツは別に忙しくないと思う。多分観葉植物の部屋で読書でもしてんじゃないかな。