ここまで川を渡る橋はなかったはず
でも、行き止まりの北
川向こうにもゲルは見えたのでどこかで川向こうに渡る橋はあるはずだが、一旦左側の山道に入って
いって迂回するようなのか?
そういえばさっき寄ったゲルの横に山に登って伸びる道があったのを思い出す
でも飲料水が手に入れられるかどうか判らないのでうかつに山道には入れない
山道に入るにしても時間が有って自分にも馬にも水を十分に補給した後じゃないと危険
いまから入っていくのはまずい
今日はもうどこかこの近くで水を手に入れキャンプしなければならないだろう
道を聞いたゲルのところに戻る
100m離れた所に先ほどと違うゲルがあるのでそこに行き、まずは飲み物を売ってくれと聞くと駄目
水は無いか聞くがそれも通じない
なんで?
ガイドブックに乗ってる単語がただの水じゃなくミネラルウォーターだからか?
たしかに単語がただの水にしては長すぎるし
ただの水でもいいんだよ!?
単語を短く分解して言ってみる
だが通じず
ただただ住人は今日来た道を戻る方向を指差す
あきらめて道を聞く、ムルンどっち?
するとやはりこっちだよと戻る道を指す
ほんとかな~?
南西に指しながら大きく右に回りこむようなゼスチャー
だとするとこる途中に見た集落の横に伸びる草原を入っていくのかな?
しかたない
とりあえず来る途中に見えた町まで戻ろう
念のためゲル横の山に登っていく道を指してモルン?と聞く違うようだ
OK
だとしたら急がなきゃ、だ
西側の山沿いに来た道を戻る
小川が草原を蛇行しながら流れている
小川をチェックしたが、水草も生えていないし家畜の放牧地帯を結構な距離流れているので人間の
飲み水には無理っぽい
と考えているとモンゴル人のおじさんが馬に乗って近づいてきた
顔つきと言い汚れ具合と言い、いかにも山谷にいそうなおじさん
でもデールを着て馬に乗っているとカッコ良く見える
こんにちは
じぶん日本人
と挨拶し、この水飲めるのか身振りで聞くとやはり飲めないというしぐさだ
おじさんがじゃあと言って走り去る
ちょっと目を離してまた見るともう小さくなっている
速い
馬って本来あんなに速いんだ
いまの自分はあれだけ早く走らせることは出来ない
いつかはあれだけ乗れるようになりたいもんだ
10日じゃ無理か
18時ごろ通りかかったゲルで水を貰えた
貰った水を1リットルぐらい一気飲み
ふ~
生き返る
しかもその水、冷えていてうまい
どこの水か効くとチョルートの水でちゃんと沸かしてあると言う
喜んで水を飲む自分にそこのおばさん、親切にも水の入った1.5リットルのペットボトルをくれた
ずうずうしく他のペットボトルにも水を入れてもらい
お礼に 1000Tg 払うと悪いと思ったのか、これも持って行けと乾燥チーズをくれた
いや~助かりました
有難うとお礼を言ってゲルを出る
水3リットル手に入れたのでこれで今日はどこででも野営出来る
目標の町までそう掛からないだろうが日没まであと1時間も無いのでこの辺で泊まる事にする
水をもらったゲルから1km程の所の丘の上にテントを張ってホッと一息
丘の上だが近くに車が走ってるらしき道があるのと草があまり茂ってないのが今ひとつだがロケーション
は良い場所だ
レイジーさん
今日はここで我慢してください
夕暮れ時
丘の上から見下ろす、夕日に照らされた草原は綺麗だ
ここ数日、いろいろ役に立ってくれているお礼に犬達にちょっと厚めに切ったパンをやると大喜びで
かぶりついていたが、ごめんね
これぐらいしかやれるものが無いけど我慢してくれよ
自分もパン一切れ食べる
それとおつかれさん、と4分の一ほど残っていたウォッカで一杯飲む
最高だ
つまみはさっき貰った一かけの乾燥チーズとピーナッツの漬物数粒
ツァガーン湖で貰った時はあまり旨いとは思わなかったが、今はそこそこ旨く感じる
相変わらずカッチカチで食べるのに時間が掛かるけどね
酒を飲んでマッタリしているとテントの後ろからバイクの音
通り過ぎるだけかと思っていたが、予想に反してテントの傍まで着て止ったので何事かとテントの外に出る
そこに居たのは中国製バイクに2人乗りのモンゴル人
運転は50代のおじさんと後ろに20代ぐらいの自動小銃を持った若者
おじさんは渋めで若者は愛嬌のある感じ
なんとなくドンキホーテみたいな組み合わせだがAKっぽいライフルを持っているのでちょっと緊張する
慎重に対応しなければ
テントからガイドブックの会話集のコピーを取り出してたどたどしくも堂々と自己紹介する
自分は日本人で馬で旅行していて、モルンまでいくつもりだと伝える
幸いおじさんは、渋い見た目と違って気さくな感じだった
ロシア語は喋れるか聞いてきたが、喋れないと言うとまあしょうがないと言う風なそぶり
後ろの若者はにこにこして話を聞いている
会話集とゴールデンゴビで翻訳して貰ったメモを使ってここに泊まっても良いかというのと、この辺は
キャンプして危なくないか聞く
どっちも大丈夫だといい、気をつけて旅しろ的な事を言ってドンキの2人組みは去っていった
ふ~
悪い人じゃなくて良かったと胸を撫で下ろす
あの二人組みなんだろう?
服装は普通にデールだったから警察じゃないとは思うが
まさか自警団?っぽい人達かしら?
寝る前の暇な時間に、馬旅を始めてからの日々の出来事を簡単にメモしておく事を始める
あとで役に立つかも、だ
9時半就寝
11時頃?遠くで犬の吠える音で目を覚ます
うとうとしながら聞いていたが結構長い間その音は聞こえていた気がする
2時ごろ今度は馬の気配で目が覚める
なにやらテントの近くで地面を足で掻いている音
ぼーっとしながら聞いていると今度はテントにバサッと何かぶつかる音
びっくりして起きてテントから出てライトで照らして見てみると、テントのすぐ脇に馬のボロが落ちている
わぁお!
よくみるとテントの横でしたのではなく、離れてしたボロをここまで足で蹴って移動させたようだ
???
少し考える
結論は多分、いま繋いでいる場所の草を食べつくしたので移動させろと言う意思表示だろうと思われる
すぐに杭を草が多そうな別の場所に移動してやる
しかしぎりぎりテントに届かない場所に杭を打っておいて良かった
もっと近くに杭を打っていたら下手するとテントに蹴りを入れられていたかも?
怖い怖い
本日の移動距離 多分 35km以上



