惑星探査機ボイジャーが


1977年に打ち上げられて43年なんだって。あららら、同い年だわー。


同じ43歳で、今でも打ち上げた頃とかわらず現役で最新データを地球に送り続けるって立派だよね。




・・・ん?


(妄想開始)


待てよ、43年も同じ仕事ができるって事は案外簡単な仕事なのか?






そんじゃあ、1977年に赤ん坊の俺を探査機に入れて打ち上げて、


ボイジャーのほうを地球で育てたらいいのに。





ボイジャーはお利口さんに育つだろうな。学級委員長とかやるだろうね。


部活でも活躍してモテモテだ。


スポーツ推薦枠使わずに


いい学校入って、よい企業に就職し、

安定した将来が約束されるんだろう。





一方で宇宙に打ち上げられた俺は

思春期を迎える頃には


1回ぐらい行方をくらますだろうね。


NASAに反抗するんじゃないの。


宇宙探査機に乗ってるのに

バイクに乗りたがるだろう。



後輩探査機カッシーニとかジュノーを誘ってばっくれるんだ。3人とも嶋大輔みたいな頭にするんだ。



初恋は本物の衛星イオ。

イオはまだ16だーから。


でも身分違いの恋に苦悩するんだろう。



俺はたぶん真面目に仕事はしない。

ずうーっと、適当なデータとか

嘘のデータを送り続けるんだろうな。



「爆発ばっかし起こってます。破片が地球に向かってます。」


「ブラックホール入ってみた」


「生命体がいたので、あのレコード渡しときます」







三十数年後には、俺の所にも

ようやく新しい技術を施された探索装置が届くのに


俺は断固として使わないんだろうな


「わしにはわしのやり方があるんじゃ!」


「余計な物を送って来んでくれ!」



「マニュアルの文字が小さすぎて読めん!!」ってね。




広い宇宙に、頑固じじいがただひとり




やがて地球のボイジャーも年老いて

家族や仲間に看取られて逝く時が来るのだろう。




俺も宇宙での役割を終えて

NASAへの帰還、回収の時期来るのかもしれないけど



「わしゃあ、動かんぞ、慣れ親しんだここで死ぬんじゃ!」




ジジイの探査機が惑星の軌道をグルグルまわるんだろう。




親の顔もNASAの人たちの顔も 

食べた朝食のことも忘れてね










今日は愛知の空は曇り空


空を見上げて宇宙妄想を繰り広げる