はじめに
決算発表ラッシュも終盤を迎えております。
昨日に発表された三井住友FG(8316)が年間配当額を1株あたり210円から230円へと
上方修正する発表を行ったようにかなり業績の良否に明暗が分かれている気がします。
今回はあまりスポットのあたることのない倉庫業界、とりわけ、大手3大財閥倉庫に
スポットをあてて、ブログを執筆したいと思います。
三菱倉庫(9301)
業績の上方修正
・売上100億円
・営業利益10億円
・経常利益15億円
・親会社に帰属する当期純利益:13億円
今期は前期と比較して国際貨物取扱業いわゆるフォワーディング関係の件数が
増加したことで売上に貢献した模様。倉庫部門においてはキューソー流通システムとの
提携・大阪茨木の新倉庫、もともと強みである医薬品物流を強化したことで
業績に大きく貢献した模様。ただ、売上に占める倉庫部門の売上は2割程度で
意外と少ないなという印象を受けました。
貸借対照表を確認すると建設仮勘定の科目が40億程度前期と比較して増加しているので
資産勘定として計上される際償却資産として期待できそうです。
三井倉庫(9302)
業績の上方修正
・売上50億円
・営業利益10億円
・経常利益15億円
・親会社に帰属する当期純利益:13億円上記のように業績の上方修正はあったものの、配当の増額修正についてはなかった。
ただ、11月14日大引け時の株価をベースとして配当利回りを計算すると
5%を超過しており、配当狙いであれば狙い目かも。
ただし、今回の業績の背景に海運市況の需給のひっ迫などにより、
顧客の輸送ルートの変更などに対応したことによる一時的なものであり、
恒常的に発生するものではないとみられることからまだ安定的な売上を
立てられるかは未知数。
期待できる点としては医薬品物流に拡充や以前にパナソニックロジを買収したことによる
家電事業のノウハウを手に入れたことで同業界での横展開が可能となり、
売上に結びついている点については評価されたい。
住友倉庫(9303)
業績の上方修正
・売上140億円
・営業利益4億円
・経常利益11億円
・親会社に帰属する当期純利益:17億円
三菱倉庫に比べるとフォワーディングの比率が3割強低いものの
陸送や海運・不動産とバランスよく収益を上げている印象。
大手3社ともそうなのだが、今回は海運を含めた事業でかなり特需的に物量の増加や
需給関係が崩れたことによる価格の高騰により、売上・利益ともに修正が掛かっている分で
上方修正となっている側面は否定できない。
住友倉庫は新倉庫の建設や立ち上げが控えており、ストック型の売上が
増加していくことが想定され、期待できよう。
物流業界に着目すること
物流は生活になくてはならない産業であり、物量はその経済の景気を指し示す
バロメーターのひとつである。モノの流れからあらゆる業界を見てみると
ちょっと違った気づきが得られるかもしれない。