3月(四句選択)①紀元祭勅使参進砂利の音②針供養和裁の友と着物着て③桃開く裏に隠れる蛾の子ども④初雷に地鳴りを数ふ眠れぬ夜⑤見舞い行く退院近し春近し⑥椿咲く田舎で発芽街育ち⑦洗濯物ああうらめしや菜種梅雨⑧春の別れ墨絵教室幕閉じる⑨砂抜きに息確かなる蜆かな⑩古家に塗装施し風光る11枝垂れ梅妻気遣いてくぐり抜け12雪国にやっと紅白梅開く13枝垂れつも胸張るがごと赤き梅14スマホ並ぶレンズの向こう梅の花15母を支え鳥居登れば梅の里