我々の税金をつぎ込んで再生を図っているルネサスという半導体メーカーであるが例によって相変わらずの巨大赤字であり、全くエルピーダと同じ道筋をたどっている。
エルピーダの時もそうだったが、なぜだか税金を投入する段階で旧経営陣を一掃せずにそのままの経営陣で経営を任している。
根本的に会社がダメになったのは経営陣がアホだからであって税金を投入する時点で旧経営人を一掃して再出発するのが自然な考えだと思うのだがエルピーダもルネサスもそうではない。
半導体産業は動きは早い上、投資も巨額になることからその経営判断も迅速で正しいものが求められる。
残念ながらエルピーダやルネサスの経営陣にはそういう能力が無いとしか思えない。
開発手法がディジタル化した現在、半導体産業にとって必要なのは設計と製造の分離であり、ルネサスはまだそこに気づいていないようである。
ルネサス再建のためには製造だけに注力し、今までの設計資産はオープン化することでなんとか再建への道ではないだろうか。
ディジタル化が進んだ今、設計は製造側が行うものではなくユーザー側が行うものである。
ユーザーの初期投資やユーザーへの便宜がいかにできるかで半導体が使ってもらえるかが決まる時代である。
そのためにも今まで蓄えてきた設計資産や設計ツールをオープン化することで多少なりとも半導体を使ってくれるユーザーが増えるはずだし、それ以上に訳の分からない要求をして来るユーザーのサポートの必要は無くなる。
それに製造に注力することで巨額な資金が必要な製造投資を効率的に使えるし、厄介なユーザーサポートをしなくなる点も大きなメリットである。
なぜ倒産の危機を迎えてもルネサスは製造に注力するような動きをしないのか不思議で仕方がない。
このままではエルピーダと同じ道を進むとしか思えない。