正月の訪問中、悪口雑言吐き出す父親を聞い流しながら、母親にも失望を覚えました。

矛先が、夫の弟さん夫妻に向かい出しました。夫の弟さん夫妻は、結婚してしばらく経ちますが、両親が見下してやまない、子どものいない夫婦。
父親が勘ぐり出したので、私がせき止めました。

その流れで、母親に「結婚結婚結婚、孫孫マゴマゴ言うなら、自分たちも子どもをもっと産まなきゃダメなんじゃないの?」
と言ってみました。

母親は、案の定、胸を張りました。
「いや、そんなことはないんだ。前に入院してたとき、同じ病室に子どもが3人いるおばさんがいたんだ。私が『娘は一人っ子なんですけど、孫が生まれました!』と言ったら、『うちは3人産んだのに全員子どもを作らない!がんばって自分を犠牲にして3人苦労して育てたのにバカみたいだ!孫が見れるなんて、あなたが本当に羨ましい!』と言われたんだ!
やっぱり子どもの数じゃないんだ!」

はいはい。
恐らく、そのおばさんは、母親が脳内で瞬時に作り出した架空の人物です。


母親も父親同様、そびえるプライドの持ち主です。
さらに母親の場合、虚言を用いて「周りに注目され羨ましがられるワタシ」を演出するクセがあります。
上記のように、そのときの展開に合わせて架空の人物・エピソードを悪びれなく作り上げるのは常套手段。自分が不利になりそうなときには、都合のよい人脈・人物を必ず登場させます。


もう一つの常套手段は、超常能力や霊能力です。
幽霊が見えたり死者の言葉を聞いたりできる力を持ち出せば、実にフレキシブルに自分を肯定できるからです。

中でも母親が好んで使うネタが、「正夢」。

義母が重大な病気になったことを告げたときには、
「やっぱり!あっちのお母さんが病気になる夢を見たんだ!わあ〜正夢だ!」
でした。
父親も「すごいすごい、正夢だ!」
と2人で盛り上がりました。

私が流産したことを告げたときには、
「こんなこと、あんたに言っていいのかなぁ?あんたのお腹から肉まんみたいなやつが出てきてピョンピョン跳ねてたんだよね。お腹に戻りなよって言ってやったのに、どっか行っちゃったんだ。
やっぱり、正夢だったんだ!」
でした。

父親が「お母さんには、そういう力があるんだ!」と一緒になって盛り上げてくれるので、大変気分がよくなるようです。
母親は長い間、この正夢ネタに味をしめており、結果報告の際には必ず付け加えるクセがありました。

たとえ、身内の生死に関わるような事柄でもです。
父親同様、常識的な倫理観が備わっていないのです。

呆れて情けなくて、反論する気力もありませんでしたが、
今回、お腹の2人目の子(ちなみに、私は現在妊娠中)の性別が分かり、伝えたときに、ガマンの限界を超えました。

1人目の性別のときも、伝えたあとで「正夢で見たから、最初から分かっていた」と言われ、悲しくなるほどの怒りを覚えたので、今回も嫌な予感があったのですが。

そのときは何も言わなかったのですが、父親が
「お母さんが、正夢だったと言っていた。こっちは性別はもう分かってたんだ。」
と言ってきました。
私が明らかに嫌な顔をして、「いつもいつも、結果聞いてから正夢正夢言うんだから…」と言うと、
カチンときたように、「お母さんにはそういう特別な力があるんだ!お父さんはいつもお母さんの正夢を楽しみにしてるんだ!」と言い返してきました。

その後、私は電話で母親にマジ切れしました。
特に、流産のときの言い草が、許せませんでした。
今回の妊娠も、複数回の流産を乗り越え、現実で闘い続けてきたのです。両親も知っています。
それを正夢だとか、特別な力で最初から分かっていたとか…

母親は、それでも自分には特別な力が備わっていることに固執し、

「あんたにはもう言わないようにするけど、見たくなくても見えてしまう力があるんだから、仕方ない。この力は家系で、むしろ弱い方なんだ。震災も、糖尿病になることも、正夢で見て知ってたんだ。」
などと言います。

「じゃあ、いつ陣痛が来るか教えてよ。タクシー手配できるし、その情報の方がありがたいけど」
「いや、そういうのは分からない」
「じゃあ意味ないじゃん。震災だって、前もって耐震対策練るとか、お父さんに注意するように伝えたの?糖尿病だって、正夢で見たくせに常にせんべいばっかり食べてたの?
もう本当にやめてほしい。何も変えられない上に、人に嫌な思いをさせる力なんて必要ない!」
「…そうなんだよねえ!意味ないんだよねえ。」

プライドを揺さぶられた母親は、慌てて娘と同調しようとしていました。
正夢なんて、注目されたいがための作り話でいい気になって、嫌な思いをさせてごめんね。
そんなことは最後まで言いませんでした。

父親もその後、ブツブツと「だって、正夢で見たことだって、現実は変えられないことなんだから!当たり前だろう!」と意味不明に開き直る始末。


この人たちの中では、もはや母親の虚言と真実の区別がつかなくなっているのか
意地になってでも、非を認めないのか。プライドが大事なのか。
倫理観というものは皆無なのか。
分かりません。

◯今回見えたこと
・圧倒的な倫理観の欠如
・プライドを守るための作り話はもはや真実と化している
・両親セットになり増長する