愛知万博、ちーとも興味がない。


「プロジェクトX」という番組で、大阪万博の警備に当たった人の苦労話を取り上げていて、日に83万人もの入場者が詰めかけたそうで人々の物見高さに驚くばかり。で、待ち時間は当然長くなる。それを少しでも短くしようと、人々は警備の人のスクラムの下をすり抜けて走って行ったのだそうだ。それをバッファローダッシュと呼ぶ。転倒者が続出したそうだ。


私はNYに住んでいたが、あの忙しい街で走る人を見かけたことがない。せかせか、あくせくとは無縁の人々なのだ、アメリカ人とは。


そこに4年住んで帰国したものだから、深夜の東京駅でいい年したサラリーマンがダッと通路やプラットフォームを走っている理由がわからなかった。


やがて私は彼らが長距離通勤のゆえに、座席を確保しようとして走っていたと知ったのだったが...。美しくない光景である。


また、電車で今まさに私が座ろうとしている席に、はるかかなたからダダッと小学生の男の子が走ってきてバタッと座り、「おかーさーん、席取ったよ!」なんて叫ぶ。ほとほと東京にはイヤケが差す。


そんなの、ほっとけばいいじゃないかとフツーの人は考えるのだろうが何しろ私は競争には負けたくないたちなのだ。子供と言えども出し抜かれては面白くない。その時も母親に「いいお子さんをお持ちですね」と精一杯のイヤミを言ったのだがその女、「ええ」ですと!この親にしてこの子あり、なのだ。


そんなクソがきに負けてなるかと、私を出し抜こうとするヤツがいると、子供時代にやった席取りのゲームよろしくパッと座るようにしている。


あああ、私も醜い日本人になってしまったものだと思うが、負けて口惜しいのよりはいい。もちろん好きな男と一緒の時には「おほほ、元気な子供ね」とか言ってやさしい女を演じるのは当然である。