日経の『私もひと言』「子供人口23年連続減」について寄せられていた意見を要約してみる。女性の社会進出という現実への対応策が取られていない、子供を育てるのは重い重圧、教育費を考えても子供を何人も持とうとは思えないと言う27才の派遣社員。働き口が限られてしまう、社会の中で子供がお荷物として見ら  れるから子供は欲しくない26才派遣社員。地域ぐるみでしつけをし、子供を大事にする社会になれば生みたい人も増えると言う39才会社員。子供がいても働きやすい職場、小児医療の充実、男性も育休を取れる体制作りなど社会環境の整備が必要、と39才のパート社員。

 

す べ て 女 性 で あ る!

 

出産するのは女性、しかもタイムリミットがあるから女性の関心の方が高いのは当然ではあるが、女性の意向が出産低下に直結するのだから、こうして女性が助けてくれ、どうにかしてくれと訴えているのに、男性主導の行政にしてもパートナーである男性にしても女性のニーズやウォンツには無関心、或いは気づかない鈍感ぶり。
                         

いや、行政も無策とは言えない。90年に1.57と戦後最低になったのを受け、翌年から少子化問題の具体的な検討を進めてきた(そうだ)。(4年経ってようやく)エンゼルプラン(保育の充実、育児給付金など)とやらを、(更に5年経って)新エンゼルプランを、それでも出生率低下には歯止めがかからず、2002年には少 子化対策プラスワンを発表。「育児休暇の浸透、子育てと仕事の両立支援」他、男性を含めた働き方の見直しをしている。それでも男性が育児休暇を取るなど現状では不可能というのでは実効性はなきに等しい。昨年6月には少子化社会対策大綱を閣議決定したというけれど…。
                                 

実は20代、30代女性で子供を産みたいという人は案外多いらしい。あるTV番組の街頭インタビューでは、(産みたいが)仕事を辞めなければいけない、教育費、医療費がのしかかる、子育てのみの人生はいや、男性が育児に参加してくれない、経済的に苦しい、子供は憎たらしい、怖い、育児に自信がない、などなど悩みのオンパレード。男性はと言うと脳天気に8人持って野球チーム作りたいなどと非現実的な事をのたまっている。では育児はきっちりやるのかというと、残業が長いのでしたくない、では何をか言わんや。育児をやりたいと言う人でも、実際にその大変さを目のあたりにすると即座に放棄するという。欧米に比べると日本の男性の育児時間は6分の1から7分の1というていたらくぶりだ。海外には男性の育児時間が長いと出生率が高くなるというデータがあるそうで、そりゃそうでしょうとも、と独身の私も思う。

 

参考までに私の事情を述べれば、30代半ばで焦って子供を産みたいと思ったが、結婚相手が見つからず、では自力で出産、とも考えたが経済力がないので断念した。ある知人女性は既婚者との間に一子をもうけて、自力で育てている。やっぱり女に生活力がつけば、出生率は上がるのだ。

 

「産んじゃった方が勝ちよ、認知せざるを得ないから」と男性にとっては恐ろしい事を言う女性がいた。

少子化対策には逆行するが、避妊対策はしっかりした方が良さそうだ。