ごあいさつ
午前中を使って園内の
説明を行っているが、
それはもう慇懃無礼な態度の
ヒナギク先生に怒る気力も
湧きませんでした。
どうせ私が怒らなくても
クラスに入ったら問答無用で
お姉さま方に躾られるし(笑)
一通りの説明が終わったので、
ヒナギク先生が配属される
ヒヨコ組さんに行くことに。
そろそろ午前の遊びが終わって
お給食の時間になるので、
お昼寝の時間までの間は
保育に入ってもらうことに
なりました。
ここからは私は離れて
リーダーが担当することに。
私も保育に入って片付けして、
トイレと手洗いとお給食の
準備とお昼寝の準備とって
バタバタしている間、
ヒナギク先生はのんびり
ゆっくり作業を進めている。
積み木を片付けるのに、
両手に一個ずつ持って
何回も棚を往復している間、
お片付けを頑張っている
1歳の園児さんは放置。
園児さんならともかく、
大人が乳幼児用の積み木を
一個ずつ片付けるって
どんな状態？(￣▽￣;)
よちよち歩きの乳児が
玩具もって歩いているのに、
視線が微塵もそちらに
向かわないことに驚く。
片付けしながらも視線は
園児さん見とかなきゃだし、
転倒の危険もあるから
声かけしながらするとか
そういうのあるんだよね。
確かに別の園だから勝手が
違うというのはあるけど、
系列園にいた時も同年齢の
クラスに入っていたと
聞いていたし、別の園でも
系列なのでやってることは
一緒のはずなんだけど、
まるで本当に保育初日の
新人の先生のような様子に
ちょっと驚く。
少なくともこの時点で彼女は
半年以上低年齢児クラスで
保育を行っていたわけで、
どれだけ園に慣れてなくても
目は子どもの姿を追うような
癖が付いているはずなんだよね。
うちの園にも新卒の先生が
いるんだけど、他のクラスの
ヘルプに入った時にどれだけ
勝手がわからなくても、
この時期になると目は子どもを
追っかけている癖ができてた。
何声にも思わず振り向く。
これって保育士の職業病
みたいなものなんだけど、
ヒナギク先生からは
それが一切見えなかった。
ちょっとこの人、
系列園でどういう保育
してきたんだろう。
そそしてれを真顔で見つめて
いたのは、うちのクラスで
一番気が強いダリア先生でした。
ダリア先生
「ヒナギク先生ー！
ごめんなさい、真横に
赤い服の男の子歩いてます！
隣にいるA君転ぶから！
見てもらえてますかー？」
顔は笑ってるんだけど、
目が笑ってない。
ヒナギク先生は言われて
横を見るけど、A君を
認識できても何を指摘されて
いるのかわかってるのか
わかっていないのか。
じーっとA君を観察する
みたいに見つめていて、
そのまま目だけ追って行って
A君が転んで泣くのを見ていた。
スズラン先生
「噓でしょ……
今ダリア先生、
注意したよね……？
え、あれでわからん？」
給食室からお茶のお代わりを
もらってきたスズラン先生が、
ドン引きした様子で呟きました。
