ごあいさつ
初出勤の日の最初に２時間は
園の仕事の説明に充てられます。
私は用意していた資料を
使って園内の事務仕事などの
説明を行っていたのだけど、
まぁ口出しが多い。
新たに一から一緒に作って
行くんじゃないんだよね。
既存の制度の中にあなたは
入ってきているんだよね。
その園にはその園のやり方が
あるんだから、まずは黙って
それに従えよ！
と言いたくなるのを堪えて、
丁寧に説明を行いました。
「さっきも言いましたが、
私は他のクラスの
事務作業や園全体の
事務も行っています。
このシステムを導入する
流れで先生達と話し合って
こういうやり方になって
いるので、他の園と
やり方が違うことに
最初は戸惑うかも
しれないけど、取り敢えず
今はこういうやり方で
やっているんだなって
覚えておいてね。それで
慣れてきた時にやっぱり
このやり方だとやり難い
とかそういうのが
あるのであれば、それは
その時に会議で進言して
もらって構わないから。」
ヒナギク先生
「はぁ……
わかりました。」
彼女の返答に若干の
イラつきを覚えながらも、
表面上は取り繕って
話を進めました。
そうして一通りの説明が
終わった頃に、再度園内の
設備などの説明に移る。
画用紙やガムテープなどは
ある程度各クラスに備え付けて
ある簡易の倉庫のような場所に
適量入っているけど、足りなく
なったら１階の大きな倉庫に
取りに来なくてはならないこと。
物に寄っては重かったりするので
エレベーターを使っても
構わないけど、ドアに挟まれる
事故などを防ぐ為に、園児が
近くにいる時はエレベーターの
使用は控えること。
どうしてもエレベーターの
使用の必要がある時は、
必ず２人以上の先生が
安全確認を行いながら
積み込み作業などを
行うことを説明しました。
これがあるから、みんな
面倒でも階段で重たい物を
運ぶんだよね(￣▽￣;)
消耗品の倉庫は１階だけど、
室内で一時的に使うような
遊具や玩具は３階のホール奥の
大倉庫に入っているので、
そちらに移動して説明する。
「これらの備品はクラスで
使用が被ることも
あるので、貸出簿に
記入してください。
こっちが貸出日の予約に
なるので、保育計画を
立てる時にはこれを見て
いつなら使えるかの確認を。
園長の承認がないと
実際の予約にならないので、
仮予約のまま忘れてた…
なんてことのないように
気を付けて下さい。
基本的にこの棚にある
知育の玩具は高年齢の子
向けなので、ヒヨコ組の
優先順位は低くなります。
高年齢児さんが使われる
場合には、ヒヨコ組さんは
使用を控える場合も
あるので、どうしても
使いたい時以外、保育に
組み込まない方が
良いかなと個人的には
思いますが、それは先生が
判断して決めてください。」
ヒナギク先生
「え、ぽい先生って
ただのパートですよね？
保育計画とか関係
あるんですか？」
「……私はパートだけど
事務以外にも色々と
行うことがあります。
もちろん毎回ではないけど、
２ヶ月に１度くらい
保育計画を立てて
メインで活動した
こともありますよ。」
ヒナギク先生
「え、こっちの園って
ただのパートにも保育を
させることあるんですか？
それって大丈夫ですか？」
この人、多分無意識なんだろう
けどさ、人に対して物凄く
失礼なこと言っている自覚
全然ないんだろうな。
私、主任や他の先生達から
「ぽい先生はスーパーパート
だもんね(笑)」
って言われる程度には
色んな事やっているし、
つーか君の説明役をやってる
時点でもうただのパートじゃ
ないんですけどね(笑)
「まぁ……
パートと言っても
色々立場はあるからね。」
正面切って怒るのは面倒なので、
適当に流しておく。
心配しなくても、
私が怒らなくてもヒヨコ組に
行ったらめちゃくちゃ怖い
お姉さま方に躾られるわ(笑)
