ごあいさつ
娘が体調不良などで
学校を早退することが
増えてしまい、私の仕事も
上手くいかなくなった。
園としてもいつ早退するか
分からない人をシフトに
組み込むことは出来ないし、
それだけのために人を増やして
おくことだってできない。
わかっている。
わかっているけど、
悔しいし悲しかった。
この憤りの先は誰でもない。
発達障害という不条理。
娘が悪いと思ったことは
一度もないけど、娘の
発達障害を呪ったことは
今もこの先も何回もある。
本当に発達障害という
やつは厄介でしかない。
発達障害だけでなく、
障害全般だと思うけど。
本人だけじゃなくて、
家族の生活まで壊すんだよ。
障害は神様がその人に与えた
試練だなんてお綺麗事を
言う人もいるけどさ、
試練って乗り越えたら
解決するものでしょ？
解決しないものを試練として
与える神様は本当に頭が悪い
としか思えないし、そんな試練
熨斗つけて返してやりたいわ。
会議室を後にした私が
クラスに戻ると、先生達の
視線が突き刺さる。
苦情を言った先生がいると
園長が言っていたので、
この中の誰かかもしくは
全員なんだろうなと思う。
別に逆恨みをするつもりは
ありませんし、先生達の
苦情だってご最もだと思ってる。
思ってるけど、
この空気がいたたまれない。
仕方がないことなのだけど、
ここにいる先生達から
疎まれているのだろうと
考えると苦しくなる。
でも私も大人なので
平静を装って仕事をする。
寝ている子ども達の
様子を見ながら、SIDSの
チェック表に細かく書いていく。
(SIDS＝乳幼児突然死症候群）
呼吸の有無、体位や顔色の確認。
うつ伏せになっている子や
腕が下敷きになってしまって
いる子を起こさないように
そっと仰向けにすると、
思わず泣きそうになってしまった。
他の先生達にはバレないように
涙を拭って、テーブルに戻ると
残っているお帳面に記入する。
パートは書類仕事はない契約
だったけど、いつの間にか
任されて暗黙の了解で
することになっていたお帳面。
書きながらあくびをして
潤んだ涙を誤魔化しました。
