ごあいさつ
新しく出してもらった
見積書を見せ、機能の
変更について説明をする。
それを見て事務長は乗り気に
なってくれたけど、
機能の変更が納得できない
園長はその他の先生達の
意見を聞くために
話を振って行きました。
が、みんな示し合わせた
みたいにＡ社がいいと言う。
それを見た主任が
私を見ながらニヤニヤ。
更にそこに事務長が一言。
事務長
「実際に使う先生達が
Ａ社が良いって
言ってるなら、
そっちにした方が
いいんじゃない？」
だいたい全員が意見を
言い終わったあたりで
事務長が園長に言うと、
園長も見積書を見つめて
フッと笑いました。
園長
「そうねぇ……
値段もかなり下げて
もらえたみたいだし。
私もね？最初はＡ社が
いいなって思ってたのよ。
でも価格面でどうしても
予算との兼ね合いがねぇ。
でもここまで下げて
もらったならねぇ。」
仕方ないなって感じで
笑ってはいるものの、
見積書の金額には
満更でもないのが
見て取れました。
主任
「園長先生が初見で
良いって思われてたって
ことは、それだけ良い
システムだってこと
だと思いますよ。
それが価格がネックに
なって諦めなきゃ
ならなかったのが、
こうして再見積もりで
叶うんだから……！」
「園長先生がそう思われて
いたのであれば、やっぱり
それが一番だと思います。
使うのは保育士ですが、
やっぱり一番保育とか
事務関係に精通してるのは
園長先生ですしねぇ。
先生が良いって思うって
ことは、それだけ費用を
かける価値があるんだと
思いますよ。」
D先生
「私もそう思います！
園長先生って頭の回転
早いから、そういう時の
良いもの見抜く力
凄いですもんね！」
園長をヨイショヨイショと
担ぎ上げ、園長先生の
初見の判断は素晴らしかったんだ
ということを私や主任他
色んな先生達が口にすると、
園長も悪い気はしないようでした。
園長
「そうねぇ、
やっぱり一番最初に
私が良いって思ったのは
間違いなかったと思うし。
直感って言うのかしらね？
他の先生方もＡ社が
いいみたいだしね、
Ａ社で上に通すわね！」
最終的に園長がその気に
なったことで、結果満場一致で
Ａ社を導入することになりました。
そして私と主任は
顔を見合わせてほくそ笑む。
みんなに持ち上げられた
園長先生は、最初に自分が
どれだけＡ社が良かったと
思ったのかを語り、それを
もてはやしながらD先生と
お取り巻き達がワイワイと
盛り上がりながら部屋から
出ていきました。
私は後片付けの為に
会議室に残り、それを
手伝うとの名目で主任も
会議室に残りました。
主任
「上手くいったわね！」
「いやぁ～、どうなるかと
内心ハラハラしていたん
ですが、上手くいって
良かったです。
しかしあれだけバラバラ
だった意見が、こんなに
急にまとまるなんて！
園長と事務長を説得する
って聞いてたんですけど、
主任、何したんですか？」
私の言葉に主任が、
ニヤニヤと笑いました。
