ごあいさつ
新しいシステムを導入するに
あたり、自分達が一番
希望しているA社を導入する
ために、私と主任は業者と
通じて画策していました。
そして園長と事務長に関しては
私に任せろと主任が言うので、
私はしばらく様子と伺うことに。
でも表立って動いている
様子がなくて、本当に
大丈夫なのかと心配している
間に、導入する業者を
決定する会議の日になりました。
「園長や事務長は
大丈夫なんですか?」
主任
「まぁ、任せなさい。
ぽい先生は前回の通り
話を進めてくれて
大丈夫だから。」
会議室に入ると、既に数人の
担当の先生達が会議室で
待機していました。
そして時間を少し過ぎた
ところで園長と事務長が
入ってきて会議が始まりました。
前回の会議の時には均等に
票が別れている状態で
決定には至らなかったので、
改めて私の方から各企業の
説明を行い、そして今回
A社から改めて見積もりを
出し直てもらったことを
説明しました。
ちなみに会議までに
園長と事務長に話を
しなかったのは、ただ単純に
園長と事務長が系列園の
研修で長期不在だったからです。
改めて出された見積もりの
価格と、それに伴い変更された
システムのプランについて
説明を行うと、事務長は
ちょっとA社の導入に
乗り気になったようでした。
元々の見積からすると
かなり価格が下がっているので、
表面を気にしていた
事務長にとってはかなり
好印象だった模様。
でも最初に組み込まれていた
機能を削ったことが
気になったようで、園長は
あまり良い顔をしていません。
園長からすると、値下げを
してもらったというよりは、
機能を削って値段を下げた
ように見せていると
受け取られたようです。
そこは私が繰り返し
説明を行い、本来は
うちの保育園には必要のない
機能であったこと、そこを
削除してもまだ大幅な
値下げになっていることを
理解してもらいました。
それでもやっぱりちょっと
納得していない様子の
園長を見て主任が一言。
主任
「園長先生が気になってる
部分については、私も
ちょっと気になりました。
でもやっぱり使うのは
現場の先生達ですし、
ここは一つ現場の先生達の
意見を聞いてみては
いかがでしょうか?」
園長
「そうねぇ……
D先生はどう思う?」
園長が他の先生に話を
振った瞬間、主任が
ニヤっと笑いました。
D先生
「そうですね、私も最初は
園長先生が指摘された
ところが気になって
いたのですが、ぽい先生が
説明してくださった通り
うちの園には必要のない
機能になりますし、
何より価格がここまで
下がったことでトータル
すると他の業者さんより
A社さんの方が使い
安いと思いますし、
価格もそれに見合った
ものになったなと思います。
私は……
A社がいいかな。」
中堅クラスの中でも
発言権の強いD先生は、
園長派の代表のような
先生だったので、自分とは
違う意見を出してきたことに
園長先生はちょっとビックリ。
普段のD先生だったら、
園長が乗り気では無い
顔色をうかがって、確実に
園長の味方をして意見に
賛同する発言をしていました。
これには園長だけでなくて、
私や事務長、他の先生達も
驚いていました。
そして園長はその他の先生にも
話を聞くために、順番に
発言を促していきました。
が、どの人に聞いても
みんなA社が良いと言う。
D先生が良いと言えば
当然その取り巻きの先生達も
良いと言うのはわかって
いたけど、全員が全員、
声を揃えてA社の導入に
賛成してくることには
本当に驚きました。
主任……
何したん
(笑)