カラカラ天気と五人の紳士@シアタードラマシティ | ヘルシンキの蒼い空

ヘルシンキの蒼い空

冬が長く太陽を見る時間がとても短いフィンランドだけど
晴れた夏の日の青空は他の場所では見ることができない深く澄んだ蒼さ
今でも夢に出てきます


ある日あるところに、棺桶を担いで五人の紳士たちがやってきた。どうやらこの棺桶は、五人のうちの一人が懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。せっかくのもらいものを役立てるためには、誰かが死んで、この棺桶の中に入らなければ…と五人の議論が始まった。いかにして死ねるのかを真剣に模索する五人。と、そこへ、ショッピングバッグを抱えた女性二人が現れた。彼女たちこそ、同じ懸賞の当たりくじ、つまりは一等賞の当選者だったのだ。その一等賞とは…。(パンフレットより)

作者の別役実氏は不条理演劇の巨匠だったらしいが、マジでシュールで意味がよく分からない芝居で、終演後に帰る観客の『よくわからへんかった』という感想がちらほら聞こえてきたが、私はこういうのは嫌いではない。

一時間強の短い芝居の終盤でようやくタイトルの意味がわかる。天変地異なのか?ずっと雨が降らないカラカラ天気で水分を長く摂取していない人々。もうあと数日雨が降らなければ多分死んでしまう人々。どう生きるべきか、どう死ぬべきか。悶々とするからこそ彼らの会話は意味がなく通じ合わない。

会話劇なので台詞のテンポが悪いと笑えないのだが、流石にドラマや映画でも活躍する俳優陣なので小気味よく笑わせてくれた。テーマはすごく重たいにもかかわらず。女性キャストは奇しくも劇団☆新感線でよく見かけるお二人。