男は真昼間から憂鬱であった。
薄給にもかかわらず、海外から家族を招聘したことによる
財政悪化のために、特にここ数日は機嫌の悪い妻から
「うちは貧乏すぎる・・・
貴方がしっかりしていなひから・・・」
たる侮辱の電話攻撃を受け、不甲斐ない自分に意気阻喪と
なっていたからである。
「そんなに自分は悪ひのか??」と自問自答するにつれ
無情を感じてきた男は、帰宅後も妻の手料理には一切手を
つけず、ハイボオルを二~三杯一気に流し込んだあと、
白米に塩をふり、即席味噌汁で夕食を済ませるのであった。
早々に眠ってしまったにもかかわらず、今朝は何故か
いつもより遅く目覚めた男は、シャワァを済ませ
定刻ぎりぎりに出社する始末であった。
デスクに腰掛けざまにパアソナルコンピュウタァの
スイッチを入れ、てっとり早く仕事を済ませたあとは
懐中からお気に入りのピイスを取り出し、
煙をくゆらせながらインタアネットを立ち上げる。
それが彼の日課である。
ふと目をやると、アメエバというサイトからメイルが入り、
“あなたにプレゼントが届いています”と書いてある。
「ほほう・・・誰かしら?小生にプレゼントなんて・・・」
最近サイトでブログなるものを書いている小心者には
少々心当たりもあり、
「ははん・・・またまた見知らぬ乙女の心を奪ってしまった
やうだ・・・なんて罪な男なのかしらん」と、さぞかし
二枚目にでもなった気分を満喫するのであった。
とはいうものの、心悸をおさえつつ中味を見てみると・・・
なんと素敵なお嬢さまから綺麗なお花が届いていたので
ある。
「おお・・・お嬢さま
こんな宿六にも喜びをお与えくださり感謝いたします。
ついでに神様にもアアメン・・・」
今朝の素敵な出来事で憂鬱な気持ちは颯と吹き飛び、
男は晴れ晴れとした気分で更なる仕事にとりかかるので
あった。
ふと耳を澄ましてみると、辺りの騒音に混じり、
名も知らない鳥が「ピイチクパアチク」と
さえずっているのが聞こえていた。
それはまさに自分に対して「バンガレバンガレ」と
伝えようとしているかのように・・・。

