人をキャンバスと
みたてて


これまでの経験が
何色かは分からないが


いろんな色が
塗り重ねられている



もっかい真っ白な
キャンバスにしませう


過去の上から
始めるんです


リセットなんて
出来っこないんだから


だから
リセットできるやうに

白く塗りつぶす



今朝、夢を見た

あの人から招待され
ある旅館の一室に
僕はいた

曰く付きの部屋
記憶により映し出された
陰惨な返り血の壁

怖かった、けど
あの人と過ごせる時間が
この後に訪れる

期待感は怖さを包んだ



が、目に
飛び込んできた光景は

四つん這いのあの人の
後で見知らない男性が
リズミカルに
腰を動かしている場面

あなたは体に
シーツを纏っていて
顔にもその一部が
かかっていた

男性のとなりには
男性の彼女がいて
冷ややかに
交尾の様子を見ていた

あなたは時折、うめいた


それが
快感によるのかどうかは
不明だったが
僕は悲しみや憎悪が
支配した

交尾を見せつけられ
震えている僕は
さらに女性具を
弄り始める男性と
興味深くも
冷ややかに覗く
その彼女を網膜に
映出さねばならなかった

僕は
あなたの顔を知らない
だから表情を
見られない

浮気男性との
あからさまな肉体関係
その縮図を
喜として
受容しているのか

何に対してか解らない
嫌悪感で
僕は部屋から飛び出す


あなたは
こんなものを
僕に見せたかったの?



逃げるように走る僕に
いつの間にか浮気男性が
併走していた


「べつに、そういう物じゃないですから」


僕の純愛感やら初さを
時代遅れと
言っているのか



みるみる力が抜けた


信じる気持ちが強いほど
理想が高いほど
打ち込まれると
弱くて脆い


僕は弱くて脆い




神なんかいない

信じる者が必ずしも
救われないこと

そんなことを
自分の正義の一部だと
思っていた


ずっと忘れられない
そんな人がいます
未練がましいと
言いたいならば
どうぞ遠慮せずに


心配なんです


今頃
どんな生活をしてるのか

お金に困っては
いないだろうか

吐き出したいストレスは
ないだろうか


想わない日は
一度もない



もう連絡はとらないって
決まったから
僕たちは
他人ですらない


けれど
あなたの誕生日に
あなたの無事を
知るために
アクセスしてみたい


以前のように
何気ない言葉の
やりとり


想像してしまう未来の
あなたの平穏


汗が滝のように迸る
自虐の隙間に
ふと見上げた東の空


三等星が
かろうじて見える
船橋の街で

強烈な光を放ちながら
燃える流れ星を
見たんだ


僕は神を信じない

だけれども
きっと
大丈夫


そんなささやかな
小さな幸せが
僕にもたらされたんだ