近年、最多の台風が吹き荒れる夜を過ごしていた私に
ひとつの電話があった。
それは母からで、ひどく慌てていた。

「おばあちゃんが倒れたわ。
 そして今、あなたを迎えに向かっているから。」

こんな台風の中、大丈夫なのか?
そちらのほうも心配しながら、待っていると
無事ついたようだ。
その車で早々と実家へ帰ることに。

この祖母は父方の祖母であり、父は肩を落として
病院の待合室にいた。
祖父は私が小学生のときに他界。
あの時も父の背中は小さく見えたが、
今回も久しぶりとはいえ、いつの間にかこんなにも
ちいさくなってしまうものなのだな・・と感じながら
祖母の様子を伺える機会を待った。

私も3年前、大きな事故をして両親を心配させたことがある。
待つ人の気持ちを味わった台風の夜だった。