幸せの国ブータン。
凄く興味がある。

幸せってなんだろう?

著者の御手洗瑞子さんは凄く綺麗な人。
985年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2010年9月より1年間、ブータン政府に初代首相フェローとして勤め、産業育成に従事。


さてさてブータン。
面積は 約38,394平方キロメートル。九州と同じくらい。
人口は 70万人。島根県と同じくらいの人口。
島根県と言われてもピンとこないから。
新潟市の人口が788,465人。つまりそれくらい。

中国とインドに挟まれたヒマラヤ山地の貧しい国。
でも。幸せな国。
豊かさをGDP(国内総生産)ではなくGNH(国民総幸福量)で計ろうとする幸せの国。

 

幸せってなんだろう?


少なくとも。経済力=幸福力でない事は僕の人生哲学的に感じている。

ブータンの国民性を本中から抜き出してみよう

 

・のんき。
・失敗しても仕方がないと割り切る。
・許す事が徳だと思っている。故に許されるものと思っている。
・意外と喜怒哀楽が激しい。
・礼儀正しくプライドが高い。
・故に過度なストレスをかけると逆切れしてしまう。

 

なんともゆるい空気感が読み取れる。
「迷惑をかけないようにとギチギチと生きるより。迷惑を許せるようにユルユルと生きよう。」
これが僕のモットー。
とてもブータンはYASUっぽい。

そして礼儀正しくプライドが高い。
というのは日本人に似ている。
追い込まれるとなにをしでかすかわからない。それもある意味、日本人ぽい。


さらに文化的には
女系家族であり。
夜這いや浮気を容認する風習がある。
これも、一昔前の日本ぽい気がする。

 

少し話はずれるが、日本に男女平等の精神がイマイチ根付かない理由を考える。
もともと日本には男女平等の観念がなかったからだ。←分りにくいね。
逆に西洋は男が支配し女はその奴隷のような文化だった。
故に近代になら西洋的男女平等が叫ばれるが。
日本は元々、男も女も立場は対等で。役割は違うというお互いを尊重する文化だったのだ。
だから。西洋的男女平等の根源が違う。
元々、男は女を男以上に敬っている。それは古事記を紐解けば分る。

 

って。話がずれたけど。ブータンもそんな匂いがする。
女性家族で男が婿入りする事が基本との事で。これは日本とは異なるが。
女性が女性として活き活きと活躍している。
そこは同じ匂いがする。

 

そして夜這いや浮気。それも日本にだってあった話だし。
そこには「人生は一度きりなんだから楽しまなきゃ」という快楽主義があるようだ。


その快楽主義を紐解くに作者は分りやすくブータン人の3つの特徴を挙げている。

 

「人生は一度きりなんだから楽しまなきゃ」快楽主義
「どうせ先の事は分らない」刹那主義
「いざとなったら助け合えばいい」友人家族との絆

 

これらは
「人はどうせ死ぬ。」という死生観と。「また生まれ変わる。」という輪廻転生のチベット仏教の教えが根底にあるようだ。

 

ブータン人のいう幸せとは。
他人の幸せであり。未来の幸せなのだ。
己の幸せだけではなく。むしろ己の幸せばかりを追い続けると幸せは逃げていく。
そんな価値観のようだ。

 

どうだろう。
どこか。一昔前の日本と似ていないだろうか。
もちろん。日本はチベット仏教を信仰していないから輪廻転生という価値観は薄いが。
「お天道様が見ている。」という価値観はどこかブータンのそれに通じるものを感じるのだ。


さてさて。
そんなブータンも現代を生きる一つの国である。
GNH(国民総幸福量)を基準にしているとはいえGDP(国内総生産)を無視する事は出来ない。

ブータンの経済は
ダム開発によるエネルギーと観光。そしてインドからの支援で成り立っている。
近代化の中。
快楽主義で刹那主義。そして誰かが助けてくれるという楽観主義のブータンは経済格差や計画性のないバブル状態に落ち込んでいるらしい。

これもまた。
日本をはじめ全ての国が「経済という魔物」に毒されていく過程なのかもしれない。


どうかブータンはブータンらしく。
経済に潰される事なく。
ブータンの幸せを追求してくれる国であってほしいと思う。

 


幸せってなんだろう。

 

この本を読み終えてページを閉じ。表紙を見直して気づいた。

「ブータン、これでいいのだ  御手洗瑞子」

そうだ。
苦しい時も楽しい時も死ぬ寸前も。
「これでいいのだ」と思える今を。今を今を今を積み重ねていく事。
それこそが幸せなのかもしれない。


これでいいのだ。


結論。バカボンのパパって凄い。