poetissimo
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美輪明宏さん、ご逝去の報せ。
伝え聞く穏やかな旅立ちにほんの少し安堵しながらも、無論残念でならず、引きずる呆然は止まない雨も含んで更に心身を重たくする。
類稀な麗しさに目を見張り、長崎での戦争体験に基づき折に触れ唱えていた、愛と平和の重要性に耳を傾ける。
身を置く芸能の世界の華々しい様と、唯一無二の地位を築くまでの想像を絶する実話との隔たりの大きさもまた、関心が向いたのかもしれない。 まだ黄色を基調とした装いになる以前、幼心に認知した頃から、その不思議な存在感、一貫した佇まいに惹かれ続けた人だった。
だからこそ、あらゆる戦争欲に誰しもの民主的な生活が根幹から揺るがされている今。
時代や価値観の変遷を肌で知り、付随する善悪を審美眼で見極め、明確な態度で指南してきた美輪さんの不在は、何とも寄る辺ない気持ちだ。
どれだけ人の心を踏み躙れば気が済む、という主義主張を日々組織は重ねるが。
有限の命の中、古を知る人がいなくなれば、尊厳・尊重のかけらもなく根絶やしにされても仕方ないと片付けられるのだろうか。
過ちを繰り返さないと誓った念いは、日本が培ってきた伝統文化/カルチャーあると共に、この文化を失くしたくない、受け継ぐべきだと、私個人は考えている。
それは装飾を一切除いた黒ずくめの姿と、
ワンアングルのカメラで絶唱する『ヨイトマケの唄』を始め、全身全霊をかけて添い遂げた芸術表現を通して、気高い笑みの麗人が教えてくれた事。

終わりに代えて、生前の一筆をこちらにも刻んでおきたい。
こんな世の中を生き抜く武器は愛の言葉しかありませんこの世のすべての問題を解く鍵は愛です愛があれば戦争なんか起こりません
美輪明宏

美輪明宏
『ヨイトマケの唄(2013年版)』
作詞・作曲 美輪明宏

