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昨年のデビュー55周年記念として公開された忌野清志郎さんのドキュメンタリー映画、『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』を鑑賞しました。
(配給 : 東映ビデオ)
清志郎を神格化せず、
ひとりの“人”として描いてほしい。
鑑賞後に見つけた相原裕美監督への取材記事によれば、制作にあたりこうした要望を受けたそうです。
実は個人的にも今回は純粋に、自身の呼称でもあった【バンドマン】の姿を最優先に味わいたかった。
憂鬱なブルースを唄いこなすには、とてもヘビーなこの時代だからこそ。
貰うならば何らかの答えよりも、元気。
清志郎さんを見るには欠かせなかった(そう思っていた)、色々なフィルターを一度外してみる気持ちで臨みました。
数多のステージ、TV番組から厳選された映像は本当にライヴさながらで、音吐朗々に声が届き、耳にするや色めき立つイントロがスピーカーから降ってきた瞬間込み上げるものが。
生活における喜怒哀楽を吸い込んで、次に吐き出す時には歌になっている、息が音符の形にさえ見える身のこなしに、“シビれる”という感覚を久々に思い出す。
清志郎さんの映像作品の特徴として、一曲の中で新旧のシーンがコラージュされているのを散見するも不自然でないのは、幾度かの変容を経ても本質の部分が一貫していた表れなのでしょう。
また、交互に展開する著名人に邂逅や逸話を聞く場面で、音楽の軌跡に欠かせないあの人この人が不在だったり。
能動的で多岐に渡る活動に紐付くストーリーを熟知したファンには、正直物足りなさも感じるかもしれない。
ただ、本作は様々な手法で“スピリットを継ぐ”目的も大きい為、特に若い世代の人が縁あってこれから清志郎さんの生き方(様)を掘り下げていく手始めとするには、先ずは適度なボリューム。
彼の隣、後ろで鳴る音はむしろ、改まった言葉以上に絆を語っています。
不足は自ら補充する楽しみの余白、と捉えても良いかと。
そして、前述を若干覆してしまうかもしれないですが。
オンリーワンとオンリーヒューマン。
そのどちらも当て嵌まる忌野清志郎に触れる上でもやはり【愛と平和】について夢を持ち続け、表現に込めてきた心情にフォーカスする行為は必要で。
清志郎さんには戦争を忌む思いをより確かにした出来事があり、表情こそシャイながら真っ直ぐ見据える眼差しで触れています。
元々の素材がTVのトーク番組なので、予て印象深かった素顔が公式な作品の一部として残るのは、有意義で嬉しい。
映画のタイトル『忌野清志郎が教えてくれた』は、最後のアルバム『夢助』で敬愛するオーティス・レディングを描いた『オーティスが教えてくれた』のオマージュ。
栗原清志少年がオーティスに人生を送る上で教えてもらった、大切な幾つもの事。
バンドマン・忌野清志郎も決して手放さなかった歌の中で今も教えてくれているのだから、同じ様に大切にし続けよう。
わからず屋だらけの世界に、これからも力強く響き渡れ。
そう、シンプルな境地に落ちる。
2011年、清志郎さん還暦記念にUNIQLOが発売したコラボTシャツと。
LOVE&PEACEの文字は奥田民生さんによるもの。
私の音楽リスナー人生の大半は、民生さんのフィルターを通した影響ばかり(笑)。
実際はLOVE&PEACE&CARPと書かれています。

『Like A Dream』
(Live At Kyoto Kaikan
1st Hall,2008)
忌野清志郎
作詞・作曲 忌野清志郎