妻と僕は会社勤め

収入の多寡はあるけれど

お互い立派な社会人

年齢の差はあるけれど

家庭の中では対等な立場

 

お互いが外で戦うから

家は戦士の休息所

   

料理だって洗濯だって

掃除だってゴミ出しだって

  

本当は二人で分担するべき

最初は僕もそのつもりだった

結婚してすぐはそうだった

 

ところがいつしか家事負担は

僕より妻が多くなった


本当は僕だってやればできる 

一人暮らしが長かったから

やればやれないはずはない

結婚前はやってたのだから

やる気になればできるはず

 

けれど僕がやろうと思うと

妻がとっくに済ませてる

そんなことの繰り返しが

家事分担を崩壊させた

 

妻が作る料理は美味い

妻が洗ったシャツは白い

とにかく妻は手際がいい

 

部屋がいつもきれいなのは

妻が掃除をしてるから

ゴミがなかなかたまらないのは

妻がゴミ出しをしてるから

 

こまめにひっそりこなしてる

妻の手際にはかなわない

 

当たり前になりそうだけど

絶対に当たり前じゃない

妻も立派な一人の戦士

休む時間は必要だ

    

明日からは僕も家事をやろう

ごつごつした男の手だけど

やれることはちゃんとやろう

 

それでもおそらく結局は

妻がどんどん家事をやる

僕は追いつけないだろう

 

だから僕はお金を稼ぐ

妻より頑張りお金を稼ぐ

 

もっと旅行に行けるように

もっといい家に住めるように

もっといい生活ができるように

 

僕が病んでも困らないように

僕が倒れても困らないように

僕が死んでも困らないように

 

できるかぎりの蓄えと

準備を怠りなくやろう

目には見えない家事だけど

妻の人生を守り抜く

無骨で地味な家事だから

   


だけど人生は長いから

 

そんなことよりまず第一に

いつも家事をこなしてる

妻に必らず礼を言おう

ありがとうの一言を

忘れず言葉に表そう

 

当たり前じゃないのだから

当たり前の態度は厳禁だ

 

 

 

~サラリーマン吟遊詩人