それからの私たちは、まるで夢洲がふたりの庭のように、季節の移ろいを感じながら大屋根リングの上を一緒に歩いた。あるとき彼がふとスマホの写真を見せてくれて、「これ、宇宙から見た大屋根リング。指輪みたいやろ?」と国際宇宙ステーションから撮られた写真を見せてくれてびっくりした。宇宙からもこの大屋根リングは見える。宇宙から見たらここに大勢いる私たちも、見えないくらいに小さい存在なんだ、そう気づかされて感動した。
暑い夏の熱気のなかに秋の風が吹く頃になった。
「ミクちゃん、来年もまた一緒に万博に来ような」
「また来年もって、どういう意味?」
もうすぐ万博も終わるし、何言ってるの。飽きっぽい性格の私の恋は、誰とも半年以上続いたことがないのよ、実は・・・と私は曖昧に笑う。彼は照れくさそうに頷き、私の手を強く握った。
恋愛もはじまりの3か月は幸せだ。お互いに知らないことを話して、どんな感じの人なのか探り合って、それが楽しい。でも、ときめきの時間はあっという間に終わってしまう。半年もすると、大体どんな人なのかお互いに分かってしまう。飽きない人がいればいいのに。この退屈を乗り越えてまで付き合いたい、そう思える人に私はまだ出会っていない。それで次の人。出会う。飽きる。次。私はそんな恋愛ジプシーをくり返している。私はきっと恋愛未満病なのだ。それとも理想が高すぎるだけ?
「ミキヤくんはどうして万博ボランティアしようと思ったの?」
そうきいてみたことがある。
「一番は万博に関わりたかったから、かな。それに人間って、自分の能力を全部ちゃんと使い切っている人って、そんなにいないんじゃないかな。オレは今の自分にできること、まあ言ったら“可能性”ってやつにチャレンジしてみたいねん。そういうのって、今しか出来ないと思う。時間って有限だからさ・・・」
彼は少し遠い目をしてそう言った。彼は亡くなったお父さんのことを心の中で想い出しているのかもしれない。
「ねえ、あそこで一緒にツーショット写真、撮ろ!」
ミャクミャクのフォトスポットで記念写真を撮った私たちは、まるで昔から恋人だったように自然だった。夢洲で始まったこの恋は、新しい希望をくれた。未来社会の展示で見た理想の暮らし。彼と一緒なのかどうかはまだ分からない。今は彼とここで一緒に過ごす時間が楽しい。
夜空に打ち上げられる花火と大屋根リング、本当に感動的。何年分かの夏祭りを、ここでまとめて見てしまったかもしれない。この時間と場所が終わらないで欲しい。彼もそう思ってくれてるかどうかは分からない。少なくともこの半年は、退屈を感じていない。ここに来ればそれだけで何だか楽しい。それはとても素敵なことだと感じている。
~to be continued~
※実体験を元にしたフィクションです。
前回のお話はこちら
夢洲ラブストーリー
<これまでのあらすじ>
失恋と失業でピンチの主人公ミク。偶然行った関西万博沼にはまり、「ミミ」として配信をはじめる。万博ボランティアをしている大学院生ミキヤと知り合う。過去の失恋経験から関西人との恋に臆病だったミクだが、彼のやさしさに次第に心惹かれ、夢洲でデートを重ねる。互いのことを知り、親密になってゆくふたりだったが、夢の祭典も閉幕の日が近づいてきて・・・(続)。
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ライターのゆきこです。
ご訪問して頂きありがとうございます![]()
秋ですね![]()
去年の今頃は万博でフィーバーしていたな、と懐かしく思いつつ名古屋のMARUZENにある関西万博オフィシャルショップへ行ってきました。
あれ、なんか・・・
ミャクミャクグッズ
逆に増えてません?
充実ぶりに驚いてしまいました。
万博が終わってもミャクミャクも空を飛んだり、あちこちのイベントにも出てきて、何だかんだでミャクミャクも失業せずに忙しそうです。よかった、よかった、安心しました。
愛知県でミニコミ誌のライタ―をしております。
エネルギーの研究者であった父の自伝「偲」を2024年に出版し、2025年よりミニコミ誌の記者になりました。
余談ですが最近「テディベアを抱きしめて」というお話を書いております
テディベアがマイブーム!って、思いっきりミャクミャクから浮気してる(笑)。「フィラデルフィア日記」(20歳でアメリカに留学したときの話)を電子書籍パブーにて「フィラデルフィア日記」無料公開中です‼ よろしければこちらもどうぞ![]()
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最後まで読んで頂き、
ありがとうございます![]()



