車の後ろを追突されて以来、
頭の後ろをどつかれる様な事件も多い中、
私は職場から仮契約を解かれ、
そろそろ正社員になろうとしている。
ああ・・・、
長かった契約社員・・・。
やっと保険だの有給休暇だのを
貰う事が出来ると思うと、
これまで待っていた期間が長く感じられない。
正社員・・・。
良い響きだわぁ。
末っ子がお腹の中にいた時、
勤めていた会社がいきなり倒産。
アメリカの会社だったからか、
倒産をその日に知らされ、
数十人いただろう社員達は
皆一気に奈落の底へ。
そして私の場合は、
六ヶ月の身重だったため、
再就職することを諦めたのだった。
あれ以来の事だから、
正社員なんてなんだかワクワクしている。
どこかへ属する身になるのって、
面倒だけど安心感がある。
これまでは健康保険がないから、
低所得者用の国の免除付き保険で病院へ行ったりして、
嫌な思いをしたことも少なくない。
でもこれで子ども達も良い病院を選べるし、
私も専用の医師にかかることができる。
なんともありがたいことだ。
そんな感じで、
落ち込んでいた気持ちも、
少しずつ盛り上がってきていたりする。
事故処理でばたばたしていた時に、
膨大な見積もりを客先から出され、
先週一週間は目を血眼にして、
息子を犠牲にしてまで残業した。
また頭痛にも悩まされていた。
でも今週はその見積もりも片付き、
フィジカルセラピーへ行って
体も少しは楽になった。
そして大変な仕事を済ませたおかげで、
客にはとても気に入られ、
信用がついた事は確かだ。
こうやって少しずつ仕事に慣れ、
商品を学んで、
英語を学んで、
末永くこの会社に貢献して行きたい。
その私の仕事の半分は、
電話応対のカスタマーサービス。
客先はアメリカの商社で、
相手の殆どは男性である。
それは英語だったりスペイン語だったり。
スペイン語はしゃべれないので、
もちろん同僚に転送する。
英語でも分からない事があるから、
本当に電話の応対ってのは苦手だ。
そんな葛藤がありながらも、
いろいろな声の人としゃべっていると、
いいな~と感じる声を聞き、
なんとなく癒やされる事もある。
これまで好みの声なんて考えた事もなかったが、
その声を聞くとやたらドキドキしてくる。
ある日初めてその声を聞いた時、
「なんだか、めっちゃセクシー。」と思った。
そしてその次に聞いた時、
名前と会社名をしっかり覚えた。
また電話がかかって来た時には、
電話応対をしながら、
気付けばその名前に、
ぐるぐると丸を書いてしまっていた。
それから長~い間、
彼からは電話がかかってこなかった。
昨日の午後も、
せわしく業務に追われていた。
同僚から転送された電話を受け取る。
「ぽーと言う名前の人で僕が知っているのは、
君だけなんだよね。」
私:「・・・(//@_@//)・・・。」
私は絶句した。
久々に聞いたその声で、
いきなりそんな事を言われてしまったら、
何と応えていいのやら・・・。
そして彼の用件を済ませた後に私は言った。
私:「まだ新人なので、
これからも宜しくお願いしますね。」
彼:「いいですよ。」
すかさず自分をアピールすることは、
長寿のぽーおばちゃんにとっては朝飯前。
とりあえず名前は覚えてくれたみたいだから、
それだけで私は幸せ気分。
ま、だからと言って、
いつか会うわけでもない。
ましてや実際に会うと、
お互いがっくりするかもしれないしね。
とりあえず、
こんな楽しみが仕事を活気付ける。
忙しさに気が狂いそうになっていても、
彼の声を聞けただけで、
ちょっとしたオアシスになるのだ。
熱しやすく冷めやすいぽーおばちゃんの事だから、
明日には飽きているかもしれないけど・・・。^^;
とにかく、
正社員になれることに感謝。
仕事があることにも感謝。
癖のある同僚達にも感謝。
セクシーな声を聞けて、
胸きゅんできる事も感謝。
そして通勤の長距離運転も
末っ子と一緒の時間を過ごせるから、
感謝なのである。