先日のラジオ深夜便の中の、文豪通信で、上記の言葉が紹介されました。ホストの中川越さんによると、この言葉は日本百名山で有名な深田久弥氏の「山さまざま」の巻末に記載されていたと述べられていました。

 

有名な言葉らしいのですが、個人的には初耳でしたので、少し調べてみました。

 

この言葉は、ウィリアム・ブレイク作の「Gnomic Verses 格言詩」という詩の最初の二行であることがわかりました。この部分が良く取り出されて一般に紹介されているようです。

 

ウィリアム・ブレイクに」」ついては下記を参照して下さい。

 

 

 

ここでは、この「Gnomic Verses 格言詩」 の詩全文を味わってみたいと思います。

 

Gnomic Verses

                                   by  William Blake

 

Great things are done when men and mountains meet;

This is not done by jostling in the street.

 

人と山が出会う時、偉大なことが成し遂げられる。

これは通りで押し合いへし合いしていては成し遂げられない。

 

They said this mystery shall never cease:

The priest promotes war, and the soldier peace.

 

この神秘は決して終わることは無いと言われる。

司祭は戦争を賛美し、兵士は平和を願う。

 

He has observed the golden rule

Till he's become the golden fool.

 

彼は黄金の規律を守り

やがて、呆れるほどの愚か者になる。

 

Abstinence sows sand all over 

The ruddy limbs and flaming hair;

But Desire gratified

Plants fruit of life and beauty there.

 

禁欲は健康で赤い手足と燃え立つ髪の

全てに砂の種をまく

しかし、欲望は満たされ

そこに生命と美の果実を植える

 

The sword sang on the barren heath,

The sickle in the fruitful field:

The sword he sang a song of death,

But could not make the sickie yield.

 

剣は不毛の荒野に歌い

鎌は実り豊かな畑で歌った。

剣は死の歌を歌ったが、

鎌を屈服させることは出来なかった。

 

The Angel that presided o'er my birth

Said, "Little creature, formed of  joy and mirth,

Go, love without the help of anything on earth."

 

私の誕生を司った天使

曰く、「喜びと陽気さをもった小さき者よ、

地上の如何なる物の助けなくして愛せよ。」

 

                   (日本語はあくまで私訳です)