「ああもうっ、バレへんと思ってたのになぁ」
頭を掻くと、昂次は観念した様子で姿勢を正した。
「確かに、スナックに通ってたっ」
「何で?」
「学校にバレたら、ヤバくないか?」
「あそこ、友達のオカンがやってる店で。そいつがときどき手伝ってんやけど。手ぇ怪我して、洗い物とか出来ないから、俺が代わりに入ることにしてん。まあ、バイトってことで金は貰うから、確かに学校にバレたらヤバイけど」
昂次の説明に、光信は不満そうに口を尖らせた。
「そんなん、言うてくれればええやん」
「やからぁ、秘密にしとこ思ってたんやってっ。臨時収入やから、入ったら、皆を驚かせたろ、なんて。ゲーム欲しい言うてたし、ナリとヒロが遊園地行きたい言うてたし」
昂次は照れ臭そうに答えた。
「遊園地!?」
「行きたーいっ」
忠成と博也が嬉しそうに顔を輝かせ、身を乗り出した。
裕一は呆れた様子で、苦笑する。
「話はわかったけど。毎日、朝までじゃ、体が持たないやろ?」
「とりあえず、1週間の約束やし、何とかなるって」
笑って言った昂次に、光信が大きく息をついて言った。
「無理すんなや?何かあったら、すぐ言えよ?」
「はいはい」
観念したように両手を挙げ、昂次は面倒臭そうに返事をした。
「でも、1個、解決してないことがあるんやけど?」
裕一は、人差し指を昂次の前に出すと言った。
昂次が怪訝そうな顔になる。
「チュウしてたっていう美人さんは、結局、誰なん?」
「あ゛?」
昂次は驚いた顔になった。
「え?何?何で知ってんの!?うっわ、怖っ!」
騒ぐ昂次を見て、隆志が居心地悪そうに目を逸らした。
「やっ、店の人がふざけてしただけやってっ」
「ふうん?」
「へぇえ?」
「うっわ、ムカつく!にやにやすんなっ!はよせんと、遅刻やでっ!?」
昂次はそう言うと、箸を取った。
※
080611初稿
次男メインですが、もともとは長男でプロットを作っていました。
でも、自分の中では、こちらの方が正解だった、と満足です。
打ち直していたら、隆志(4男)が他は「ちゃん」なのに、下2人は「くん」なのが少し違和感あるかな、と今回から「ちゃん」に統一することにしました。
まあ、細かいことだし、自己満足ですが(笑)
20111107 改稿
呼び方変更。