1年が過ぎ、それぞれ、学年が1つ上がった。
高校3年生になった九谷浩司、沢口宗一、加山英之の3人は軽音部を引退し、進路に向けての準備が始まった。
一方、B-Mはインディーズデビューをしていた。
本当はプロとして、メジャーレーベルからの声も掛かっていたのだが、一条裕之が在学する棗高校は芸能活動を許可していなかった。
そのため、卒業するまで、インディーズでなるべく露出を少なく、というつもりでいたのだった。
しかし、B-Mが出演したライブハウスで爆弾魔騒ぎが起き、バンド活動が学校にばれてしまったのだった。
退学という話にもなり、B-Mのメンバーからの提案で、芸能活動を許している桜坂学園に編入をした。
その際、メジャーデビューに踏み切ることになり、曲がテレビドラマの主題歌に起用されたり、裕之がそのドラマにレギュラーとして出演することになったりと忙しくなった。
今では安い一戸建てを借り、メンバー4人で共同生活をしている。
家業の寺を継ぐために、仏教系の大学に通っていた千川将成は、音楽をあきらめ切れないでいた。
地元でとはいえ、人気の高かったRUSHを解散したときに覚悟を決めたはずだったのだが。
プロとしてやっていけるであろうということは、自他共に認めていたし、現に誘いもあった。
将成の弟は、憲昭と清純という。憲昭が寺を継ぐと言ってくれたため、将成はプロとして音楽をやっていく決心をした。
以前、組んでいた三重正孝はNAKIDSを選んだため、将成は新しく瀬名友晴と「Halcion」として一歩を踏み出す。
裕之が編入した桜坂学園は、芸能活動をしている生徒を受け入れている中高一貫教育の学校だ。
仕事と学校の両立は大変になったが、好きなことを堂々と出来るのは幸せなことだ、と裕之は思っていた。
同じクラスには、テレビ番組にも出演しているアイドルグループ「L.I.P」の井原快乃などがいる。
B-Mの六平メグミは、主題歌を担当したドラマの漫画原作者である高谷実と酔った勢いでホテルへ入ってしまう。
メンバーの心配をよそに、2人は付き合い始める。
五木忠信は、佐田清加が襲った犯人の1人と会ったところに偶然居合わせ、それをきっかけに、ほんの少し距離が近付く。
百瀬仁は、友人の友人である林万沙子と出会い、気になり始める。
身近な人間がやりたいことを見つけ、着実に前に進んでいくのを見て、今中希はもやもやとした気持ちを抱くようになる。
すでに「音楽で生きていく」と決めている彼氏の正孝に、言葉で示されなくても支えられていることに気付き、進路を決めていく。
一方、浩司や九谷美奈も、やりたいことへ向けて、気持ちを固めていくようになっていた。
季節は巡り、浩司、宗一、英之の3人は、高校を卒業し、それぞれが新しい生活へと一歩を踏み出した――