実は9月頃、母が転んだ。
お客さんを見送った後、戸口のカギをかけに行ってよろめいて転んでしまったのだ。
肋骨のあたりを打ったのだけれど、骨折もせず、ヒビも入らず、しかしやはり触るとジンジン痛むようで大事をとってしばらく横になって過ごしていた。
余談だけれど、「肋骨のあたりを打った」と言っているのになぜだか「肋骨を折った」という噂になって広がったのには困った。
「折ったそうですね。大丈夫ですか?!」
という電話が相次いて、その度に母は起き上がって電話に出る。しんどそうだった。次第に
「誰がそんな噂を広げてるんだろう!」
と怒りが湧き始めたから、「よかった、回復してきたな」と思った。
とはいえ、さすがに母も若い頃のようには身体が動かないことは覚悟を決めたようだった。寂聴さんの訃報も影響したかもしれない。
「ぼちぼち身の回りの整理をはじめないといかんね」
と言い出した。
それで断捨離を始めたのだけど、いざとなると惜しくなるらしい。母にはそういうところがある。
特に思い出があったり、着心地がよかったりする洋服は手放し難いようだ。
「これはいい生地なんだよー。これだけの生地ないよ」
とか
「これはいろんな人が褒めたねぇ。『洒落てますねぇ』ってみんな言ったよ」
その内
「響子、着てみなさいよ。何? 入らないの? 太りすぎなんだよ! 痩せなさいよ! あんだけ食べりゃそりゃ太るわ! 昔は痩せたい痩せたいって言ってたけどやめたの? なんで諦めたのよ?」
と、とんだとばっちりが飛んできた。
要するに誰かに着てもらいたいのだと思う。
「それじゃファンの人にもらってもらうっていうのはどう?」
と私は提案した。
そんなわけで母が着て講演に行ったり、写真を撮ったり、食事に出たりした服(一応、ヨソイキです! 普段着ではありません)をもらってくださる方募集します。全部で6着です。サイズは11号になります。
応募方法は最後に載せておきますね。
まず一着目はワンピースです。
1番 「ストンとした作りのワンピース」
細かい格子柄です。
生地は柔らかい素材です。(すみません。名前はわかりませんでした)。黒とベージュの格子のように見えますが、実際はもう少しベージュにゴールドが入った感じの色合いです。
一応、この場では伏させていただきますが、名の通ったブランドのものになります。
2番 「黒の水玉ツーピース」
おそらくこれは母が生地を気に入ってオーダーメイドしたものだと思います。ブランドのタグがどこにもないので。
デザインはデザイナーと母が考えたのだと思います。
黒地に黒の水玉で、水玉部分は光沢があります。
ボタンは貝ボタンと思います。
前身ごろは着物風に合わせになっています。
七分袖。
3番 「からし色のジャケット」
からし色と書きましたがゴールドがかかっています。
母はこれに黒のブラウスやスカートを合わせていました。
丈は腰回りくらい。少し短めかもしれません。
一番と同じブランドのものですが、名前は伏せさせてくださいね。
4番 「白黒のオーバーシャツ」
七分袖のたっぷりした感じのオーバーシャツです。
ちょうどお尻が隠れるくらいの長さ。
母は黒のパンツなんかと合わせていました。
小寒い時なんかいいそうです。
タグがないのでこれも生地だけ買ってオーダーしたのかもしれません。
これ着てよく北海道に行っていたなぁ。
生地はコットンです。
6番 「七分袖のグレーのツーピース」
ちょっと変わった生地のツーピースです。
グレーと書きましたが実際はもっと光沢があります。
表地は絹、裏地はキュプラ、ブランドは「MITSUKOSHI」です。
袖は七分袖です。
以上になります。
「メルカリ」に出したら? という意見もあったのですが、私としてはやはり母のファンの方の手に渡るのが母にとっても、服にとっても幸せと考えました。
売るわけではないので、もちろんお代はいらないのですが、着払いの宅急便でお送りすることだけご了承いただきたいと思います。
また、クリーニング済み、汚れホツレなどは点検済みでありますが、なにぶん素人ですので万が一にも見落としがあるかもしれません。また、たたみ皺が残っていたりもするかもしれませんが、その場合は「古着」ということでご容赦願えたらと思います。
万が一多数の方が応募された場合は抽選とさせていただきたいと思います。
応募先は「山猫幻燈會」のHP上にご用意しました。
山猫幻燈會 | yamaneko-genntoukai (yamaneko-gentoukai.com)
HP中の「お問い合わせ」よりお入りください。
ご応募の際はメッセージ欄に
「着払い了承
古着了承
〇番「」内の服の名称 」
をお書きの上お送りください。
応募期間は今より7日の午前0:00までとします。
公平を期するために応募はお一人様一着でお願いしますね!
また応募の方はこのブログに「イイネ」もお願いします。
それではどうぞよろしくお願いします。