隔月刊のバイクツーリング雑誌「Outrider」に、
温泉記事を連載させてもらっています。
2010年からなので、もう8年目! 早いなあ。

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▲「Outrider」も創刊30年を越えました。
創刊当時からの古い読者も多いのが特徴です。

 12月24日発売号では、「西郷どんの温泉」・川内高城温泉を紹介させてもらいました。

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 2018年のNHK大河ドラマは「西郷どん」ですので。
 西郷さん、温泉好きでも有名なんです。犬好きでも知られてますよね

 有名な「ツン」(上野公園の像のモデル)のほかにも、たくさん飼ってたんですよ。
 犬が好き過ぎて食べ物をたくさんあげてしまい、太ってしまったため猟犬としては使いものにならなかった、という笑えるエピソードもあります。
 なんだか、親近感が湧きます。
 西郷どん、きっととってもいい人だったんでしょうね。

 「Outrider」では川内高城温泉だけを取り上げてますが、ツーリングマップルのメルマガのほうでは、他にも紹介してますので、以下に転載します。


西郷どんの温泉


 2018年のNHK大河ドラマは、「西郷(せご)どん」
 いわずと知れた薩摩藩士・西郷隆盛のことで、鹿児島では「さいごうさん」ではなく、鹿児島弁で「せごどん」と呼ばれ敬愛されています。明治維新の立役者でありながら最期は西南戦争を率いた賊軍の将として生涯を終えた西郷どん。幕末という激動の時代を豪快に生き抜いた、スケールの大きな薩摩隼人です。


 西郷どんは温泉好きとしてもよく知られていて、郷里の鹿児島に滞在中は狩猟や釣りを楽しみ、各地の温泉で湯治生活を送っていました。歴代の偉人の中で、西郷どんほど温泉を愛した人はいないのではないでしょうか? それを物語るように、鹿児島の温泉地には西郷どんの足跡がそこかしこに残っています。
 
 また、西郷どんといえば犬好きでも有名です。上野公園にある西郷どんの銅像は浴衣姿で犬を連れていますよね? あれは「ツン」という薩摩犬のメスがモデルですが、西郷どんは「ツン」のほかにもたくさんの犬を飼っていました。狩猟にもよく連れていったそうですが、犬好きのあまり可愛がって食べ物を与えすぎ、太らせてしまったため猟犬として使えなくなったという、ほほえましいエピソードもあるんですよ。
 犬好きで温泉好き。私と共通点が多くて親近感が湧きます。
 そんな西郷どんゆかりの温泉地をいくつか紹介します。すべて鹿児島県内です。


●日当山(ひなたやま)温泉
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 西郷どんが最も多く訪れたと言われる温泉地。霧島市国分平野北部にあり、天降川周辺に点在する温泉群。
 ごく普通の住宅地の中に小規模な共同湯や日帰り温泉、旅館が散らばってあるので温泉街としてのまとまりはなく、とらえどころがない印象ですが、それぞれに個性的で自家源泉の湯が掛け流しなので、湯めぐりが楽しいです。
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 個室の浴室が並ぶ「天降川温泉」や、ミニ温泉街風の「清姫温泉」ほか、その名の通り「西郷どんの湯」、「じゅじゅどん温泉」など、偉人にちなんだ名前の施設も残っています。西郷どんが泊まっていた龍宝家の屋敷は「西郷どんの宿」として建物が復元されています。


●川内高城(せんだいたき)温泉 

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  山間の小さな温泉地で、小さな宿や共同湯が並ぶレトロな温泉街。温泉街へ続く道沿いには、犬を連れた狩猟姿の西郷どんが描かれた看板があったり、温泉街の端には露天風呂に入浴している若き日の西郷どんの人形があり、温泉街を挙げて西郷どんLOVEをアピールしています。西郷どんがよく泊まったとされる「双葉旅館」や、素朴な共同湯が当時のまま残っていて、タイムスリップしたかのようなところです。猫がウロウロ歩いているのもなんだか、いい感じ。残念ながら西郷どんが好きな犬は見かけませんでした。湯は強アルカリ性の単純硫黄泉で、トロトロした肌触りです。
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 ところで、「川内」でピンときた人もいると思いますが、ここは川内原発のある薩摩川内市。私が福島から来た、というとやはり原発の話になり、「私ら、みんな再稼働には反対したんだけどねえ」とのことでした。
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●鰻(うなぎ)温泉

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  薩摩半島最南部、池田湖近くの「鰻池」池畔にある鄙びた温泉地。「西郷どんゆかりの湯」と壁に描かれた共同湯「区営鰻温泉」と民宿が少し並ぶだけの小さな集落で、あちこちから噴出する高温の噴気を利用した「スメ」と呼ばれる蒸し釜がたくさんあるのが特徴です。共同湯や商店で生卵を買って、入浴している間、スメに入れて温泉卵を作ることもできます。湯は単純硫黄泉で激熱! 
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 集落内に犬を連れた西郷どんの銅像がありますが、上野公園のものに比べるとサイズも小さく、頭でっかちでなんだか威厳がありません。西郷どんは、明治7年に13匹の犬を連れてここを訪れ、約1ケ月滞在しています。指宿市が鰻温泉にその13匹の犬の銅像を造ることを決めたそうで、完成したら見に行きたいものです。


●栗野岳温泉「南洲館」

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 宮崎県境に近い栗野岳の中腹に湧く温泉で、湯治場風情漂う山間の一軒宿が「南洲館」。「南洲」というのは、西郷どんの「号」で、明治9年に西郷どんが象皮病の療養のため滞在していたことに因みます。
 源泉は3本あり、白濁した弱酸性硫黄泉の「桜湯」、強酸性の明礬緑礬泉の泥湯「竹の湯」、蒸し湯、飲泉用の「ラムネ湯」などが敷地内に点在しています。特に泥湯がここの名物で、泥パックもできて楽しいです。
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 宿の裏手の遊歩道を行くと八幡地獄と呼ばれる大噴気地帯があり、モウモウと白煙を上げて迫力満点。ここで蒸す「鶏の地獄蒸し」が宿の名物料理になっています。10年近く前、九州担当のサカグチマサエ嬢と一緒に泊まったきりなので、ぜひまた行きたいところです。


 ほかに、指宿温泉、有村温泉、また宮崎県の吉田温泉白鳥温泉などへも訪れていたようで、私もまた鹿児島に行く際には西郷どんの足跡を探して湯めぐりしてみたいと思います。
 というわけで、2018年の大河ドラマも楽しみです。