ちょっと間が空きましたが、6月13日(土)の活動報告の続きです。


葛尾村の給餌を終えた後、田村市都路町(旧都路村)に残る犬猫を守る、ボランティアMさんを訪ねました。
 このブログにも何度も登場する、犬の「コータロー」のお世話をされている方です。

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▲コータローとMさん。コータロー、少し太って顔つきも穏やかになりました。

 田村市都路町は福島第一原発から30㎞圏内にあり、緊急時避難準備区域だったので、震災後、住民はみんな区域外へ避難していました。

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 Mさんも息子さんが住む軽井沢へ飼っていた犬猫と一緒に避難しましたが、震災直後、避難するまでの間は、無人となった町のあちこちから犬の遠吠えが聞こえ、ノイローゼ気味になったとのこと。

 2ケ月ほどして戻ってきたとき、Mさんが最初にしたことは、町の中で餓死していた犬猫たちの死骸を埋める ことだったそうです。
 そのころは、まだたくさんの放浪犬がいて、食堂前に繫がれていたコータローは、そうした犬たちにご飯を横取りされ、襲われたりしたそうです(歯が飛び出しているのは、放浪犬にやられたとのこと)。

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震災前、都路地区で虐待され、後ろ脚1本しかない、猫ちゃん。
Mさんが保護して治療してくれました。

 震災前から個人で犬猫の保護活動をしていたMさん。

 もともとは東京出身で、20数年前、子供たちが成人したのを機に、都路村(現田村市都路町)に移住してきました。

 今回、Mさん宅を訪問したのは、子犬を4匹保護したというので、里親募集のお手伝い用に写真を撮ろうと思ったからです。

 子犬はコータローの散歩中、くっついてきちゃったそうで、コータローの飼い主(車で10分程度の田村市船引町に避難)が、自宅のほうに残している3匹の飼い犬のうち1匹が産んだことが判明したとのこと。

 飼い主は所有権を放棄したのでMさんが引き取ったのですが、Mさん宅にもすでに犬が数頭、猫が11匹、さらにコータローのお世話もしています。
 Mさん71歳、ご主人75歳と決して若くはないし、まったくの個人活動で援助なども募っていないので、保護やお世話にも限度があります。


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▲今回、保護した4匹の子犬たち。母犬は痩せてガリガリだったとか。飼い主に母犬への避妊手術をするよう、説得するのが大変だとMさんが困っていました。飼い主は食堂を何軒も経営していて裕福なのですが…。
子犬たちは浪江のAさんが静岡の施設を紹介してくれて、無事にそっちに移送されたそうです。

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▲里親募集中の猫ちゃん。


 Mさんの負担が少しでも減るよう、「かつらお動物見守り隊」でも、支援物資のおすそ分けをしていますが、問題なのは、こうした無償のボランティアがいるのをいいことに、自分の飼い犬・飼い猫に避妊去勢もせず、子犬が産まれても「自然に任せる」ということで放置している人がいることです。

 子犬、子猫は産まれたら川に流す、土に埋めるということが平然と行われている、この現状をどうしたら改善できるのか。

 千葉の高校教師が子猫を生き埋めにして騒がれましたが、動物遺棄は犯罪だということを認識してほしいです。

 福島県民でも、Mさんのように、支援も求めず、ブログなども広報もせず、黙々と犬猫たちのために活動をしている人がいます。

 都路町は避難指示解除はされて住民が戻れるようになっているとはいえ、葛尾村同様、福島原発被災地であり、やはり残されている犬猫がいます。

 私たち「かつらお動物見守り隊」も、できる範囲でのお手伝いをしたいと思っていますので、応援お願いいたします。


 同じような内容の記事を「かつらお動物見守り隊」のブログにもUPしています。