ぽこです。
このブログにはあまり登場しませんが、実はお出かけしない日はボランティアで徒歩5分くらいの場所にある他家の飼い犬「トトロ」の散歩をしていました。
「していました」と過去形なのは、本日、その「トトロ」がとうとう天に召されたからです。
▲11月26日のトトロ。この日はもう腰が上がらず、私が支えてあげてようやく立てる状態でした。いつものようにマーガリン付きの食パンをあげるとバクバク食べるのですが、結局飲み込めずに吐きもどしていました。
「トトロ」との出会いは、ぽこけんが5年半ほど前に現在住む福島県中通りの某村に引っ越してきたときのこと。初めの2年半は借家暮らしで、その家の隣で飼われていたのが「トトロ」でした。引っ越してきて2,3ヶ月ほど過ぎたころ、「トトロ」が散歩に連れて行ってもらってないらしいことが判明しました。隣家の住人は夜のお勤めらしい初老の女性。基本は一人暮らしですが、ときどき御主人なのか、同じくらいの年齢の男性が居たりしました。
あとから聞いてわかったのですが、最初の頃は放し飼いにされていて、近所の子供がよく一緒に遊んでくれたそうで、今でも子供を見ると寄っていくほど子供好きな犬でした。
放し飼いできないことになってから何年経っていたのかわかりませんが、かなり長い期間つながれっぱなしで、ウンチなどもあまり片づけられていなかったし、犬小屋も屋根はあるものの床がないままで隙間だらけという状況でした。
そんな環境で飼われていた「トトロ」ですが、大事にこそされてはいないものの、餌などはちゃんと与えられていたし、飼い主が帰宅した際には声もかけられていたので、かわいがられていないわけではないようでしたが。
キッチンの窓から「トトロ」と目が会うたびに、散歩に連れ出してあげたいなあ、と思っていたのですが、なかなか言い出すきっかけがつかめないでいました。かといって勝手に散歩させるわけにもいかず、
結局、「周辺を散歩をしたいのだけど、引っ越してきたばかりで近所に面識もないし、一人で住宅地をブラブラするのも怪しがられるから、犬の散歩がてら歩きたいので、連れ出していいですか?」との申し出を快く受けてもらい、それ以来、勝手に連れ出してもいいことになりました。
5年前当時で、
「15歳くらいになるかしら?」
(正確ではないようでしたが、他のご近所さん情報ではだいたいそのくらいだそう)
とのことだったので、享年20歳ということなります。
そんなに年寄りのわりにはとっても元気で、ごく最近まで足取り軽く散歩していました。最初のころは私をグイグイと引っ張り、1時間近くも歩かされたのが、この1年くらいは足取りがゆっくりになり、ようやく老いがきたかなあ、と思っていました。
それでも食欲は相変わらず旺盛だし元気だったのですが、この1ヶ月くらいで急激に痩せてきて、だんだん足が弱くなり、固形物が食べられなくなると同時に足も立たたなくなって排泄も垂れ流し状態になり、おととい飲めた牛乳が昨日は飲めなくなり、そして、今日、とうとう固くなっていました。
▲まだ生きているように見えます
飼い主の話では病気もしたことないそうで、死因も老衰でしょう。あまり大事にされてなかったわりにはずいぶん健康で長寿でした。
▲「トトロ」が死んだことがわかるのでしょうか、久しぶりに姿を現した「ドラ」が近くにやってきて、「こいつは死んだぜ」と言いました。いつもは私を見てもすり寄ってこないのに、今日に限って甘えてきたのはなんででしょう? 仕方がないのでトトロ用に持ってきた牛乳をあげました。
▲向こうに見える白い家がぽこけんが3年前まで住んでいた借家。あのキッチンの窓越しに目を合わせたのが最初の出会いでした。
▲「ねえちゃん、そんなにおちこむことないニャ。オレ様は若いからまだまだ生きるニャ。せいぜいかわいがってくれよニャ」
今夜はなぜかトラがずっとそばに居てくれるので、さみしさが紛れます。
まあ、犬も20年も生きれば本望でしょう。今頃は千の風になって吹きわたっていることでしょう。