上手に転ぶ | 粗土ログ

上手に転ぶ

「近頃の子供は転んだ時に顔や胸に怪我をする」と、しばらく前から時々耳にする。

先日、そういった子供がそのまま大きくなったんだなと思われる若者に合気道の稽古指導をする機会があった。

その若者を技で倒すと手や膝が反射的に前に出ず、顔や胸を床に打ちそうになるのだ。



もちろん倒れる時は補助をしてあげて、怪我をしないように支えたり引っ張り上げたりする。

最初の頃は原因が分からず、ただ「運動神経が悪いのか」くらいに僕は考えていた。

しかし、よく考えてみたり話を聴いてあげたりするうちに「彼らは転んだ経験があまり無い」ということに気付いた。



経験が無いから、転んだ時にどうしたら良いのかが分からなかったのだ。

そんなことは自然に覚えるものだと僕は思っていたが、子供の頃を過ぎてしまった彼らには難しいようだ。

それでは転び方を教えればいいんだなと思い、教えようと思ったけれど僕も転び方を意識して学んだことも無かったのでしばし考え込んでしまった。



自分自身で何度か転ぶ動作を繰り返して、それぞれの動作を分解する。

まず傾いた重心方向にバランスを保とうとして足が出る→次に膝を付き→手を付き→腹、胸、顔の順に...。

といった感じでやって見せて解説をするのだ。



幾度かしばらく続けると、その若者の転び方も少しずつ様になってくる。

今後、何かの事故で転ぶことがあったときにでも役立てば良いし、転んで立ち上がるという動作はとても自然な肉体トレーニングもなっている。

是非、これからはこういった若者にも稽古を続けて欲しいものだ。



(sodo)






    
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