動物の権利 | 粗土ログ

動物の権利

マンガ大賞2022を受賞した「ダーウィン事変」が面白そうなので読んでみた。

チンパンジーを母、人間を父として生まれた少年の話。

知性と体力に恵まれながらも、人権を持たないイキモノの権利が問われる作品。



でも、この作品には動物の権利(アニマルライツ)を掲げる組織による過激なテロなども描かれている。

多くの人に読まれているので、動物愛護者や肉食しない人たちに対して反感を持たれてしまうのではないかと僕は少し心配になった。

マンガの中の話とはいえ、影響はありそうだ。



ところで動物の権利については、どう考えるべきなのだろう。

人の権利であっても曖昧であるのに、それを人間以外に当てはめることが出来るのだろうか。

そもそも「権利」という概念は人が作り出したものだから、動物の権利だって人が作り出せば良いのだともいえる。



そう考えると「動物にも権利がある」という主張自体はおかしくて、「権利を与える」と言うべきなのだろう。

人が、「動物にも権利を与える」と宣うのである。

これではまるで、人間が動物界の神のようではないか。



動物界ヒエラルキーの頂点が人間という考えであれば、それでもおかしくはない。

けれでも特に現代のように、ちょっとしたウイルスにさえコントロールできてしまう人間ごときが頂点だとは思えない。

このように「権利」という実体のない事柄については、なかなか結論に辿り着けないのだ。



だからこのマンガも、結論はきっと消化不良のような感じで終わるのかなと今から想像してしまっている。

意外な結末であれば、読みごたえがあると言えるのだが。

まだ連載は続いているので、今後の展開がどうなるか追ってみたいと思う。



(sodo)






    
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