大丈夫、大丈夫。

いつものことだけど心配し過ぎ。

万が一って先生いってたじゃない。


主人にも絶対大丈夫だから、と軽めに言われ、検査結果を聞きに行きました。




いつもと違う診察室に呼ばれて、ドアを開けると、先生の見たことない真剣な顔。









「残念ながら、がん細胞が出てしまいました。」











ん?へ?今、なんて?






だって、あれだけ大丈夫って言ってたじゃない。

1ヶ月も経過観察してたし、取らなくてもいいって言ってたじゃない。

万が一、って言って、、、


心臓がキューっとなり、涙が溢れました。


主人の顔、見られなかった。

ただただ、広い診察室に、無言の時間があり、それがとても長く感じました。





PET検査をしてください。

明日、提携先の病院で予約を取っていますから。




早いんだ。再発のときって。

先生の焦りが手に取るように伝わってきた。


今まで悠長に、大丈夫、経過観察、経過観察って言ってたのに、再発すると、さすがの先生も焦るし、動くの早いんだね。


このとき私の気持ちは、もう、何も信じられない、病院も、薬も、強い抗がん剤も、そして先生も、なんにも信じられなくなってた。なにも言葉が出なかった。





少し経ってから、主人が、

PETをやるってことは、他の臓器に転移してる可能性が高いってことですか?というようなことを聞いていた気がします。


先生は、う〜ん、、、胸壁だけに再発って言う人も中にはいるんです。そしたら取ってしまえば、命に関わることにはなりません。


でも、抗がん剤が終わって2ヶ月弱だから、抗がん剤が効いていなかったと言えるでしょう。





ふと頭をよぎった、手術した病院の看護師さんに言われた言葉。


『私の感覚だけど、再発する人は、初発の大きさとかリンパ転移数とかは関係ない気がする。

薬が効くか、効かないか。』


私は完全に、後者に入ってしまったんだなって。

しかも先生も予想していなかった、このスピードで。


きっとどこかに、他にも再発してるって思われてるんだなって。

またあの抗がん剤のつらい日々が、効く限り、エンドレスで続くのかって。

効かなくなったらどうなるのかなって。

髪の毛、やっと少し生えてきたのになって。


そもそも、抗がん剤効かないって言ってるのにまた抗がん剤なんてしたら、わたし、どうなっちゃうんだろう。

もう娘と公園で遊ぶことも、一緒にスーパーに買い物に行くことも、幼稚園の送り迎えすらも、出来なくなってくるのかな。

今よりもっと、ずっと弱々しくなって、普通のお母さんに戻ること、できないんだ。

娘の記憶に、元気なお母さんを残すことはもうできないんだ。


もう少し大きくなった娘と、学校帰りにスタバで待ち合わせして、2人でお茶しながら他愛のない会話をして一緒に家に帰るっていう、わたしの希望は叶わないのかな。

ちいさな、些細な希望なんだけど、わたしにとっては奇跡になっちゃうのかな。




病気を治すためにやってることなのに、どんどん弱くなっていく自分を想像したら、震えました。



やる意味あるのかな。

ここからは、ただただ体調悪い中、延命するだけなんだな。



一瞬の思考でしたが、マイナス思考炸裂。

そんなことがたくさん頭をよぎり、涙が止まりませんでした。


当然だけど、この日からもう、先生は、大丈夫、とは言ってくれなくなりました。