カピパラパパです。

 

俺みたいな男は珍しいらしい。

日本の人口が1億2千万として1000人くらいいるらしい。

10万人に1人だ。

 

第二次性徴期、まあ10才くらいだな。何らかの原因でホルモン異常が起こって女性ホルモン過多になった。

男らしく成長しなくなり、体は女のように華奢で、丸くて、体毛も生えないし、うぶ毛すら生えない。

肌は女以上につるつるですべすべ、髪の毛も細くて、しなやかでさらさら。

脚なんか足首がキュッとしまって、美脚だし、オケツも丸く女の体型だ。

 

顔なんか、そこらの女子よりよっぽど可愛くて、男子からも女子からもきゃあきゃ言われた。

一番困ったのはおっぱいが大きくなることだ。

 

中1から膨らみ始め、高校の頃にはたぶんDカップくらいになった。

ホルモンバランスの乱れは俺の精神状態を不安定にした。

あとでわかったことだが双極性障害1型に加えて、女っぽいというのが拍車をかけた。

性格も女っぽいかもな。

 

俺とは真逆で、女なのにホルモンバランス異常で女が男性化する場合がある。

その割合は多くて男性が女性化する10倍くらいだという。

 

後天的なホルモン異常の例をテレビのニュース番組で特集していたので、紹介する。

 

 

俺と同じだ。(でも俺の方がはるかに美しい。)

この人の場合、性器以外は完璧に女体化していた。

乳汁も出るとのこと。

肌もきれいだし、体も丸い。かなり可愛い方だ。

女性で行くのか、男性のまま頑張るのか自分でもわからないみたいだ。

男性でいけよ。

 

脳下垂体の腫瘍が原因で、ホルモン異常が起こった。

 

後天的なホルモン異常とは別に先天的な性分化疾患というのがある。

男女の性の決定は生まれたときの外性器の特徴で識別する。

 

人間は最初みんな女だった。

それが男性ホルモンの作用でクリトリスがペニスになり、大陰唇が陰嚢を形成する。

ここで性の分化があいまいであったりするとややこしくなる。

ペニスがついているにに膣があるとかだ。

生まれたときに染色体がXX型(女)なのに、両方の特徴を備えているので、両親が男に登録し、そのようになるように施術する。

その子が成長して、その子自身の意思で、やっぱり女子になりたいから性転換手術したりする。

染色体がXY型(男)なのに外性器も女で、体つきも丸く、おっぱいも大きくて、男性の特徴のない完全女体化というのもある。

10才くらいまで、自分の性器の異常に気付かない場合もある。

 

 

俺の場合、性分化疾患ではない。

それに、よくわからんが、精神的な性同一性障害というのとも違う。

LGBTの人たちと俺は全く別物だ。

俺は男に生まれながら、まったく望まぬ女の見てくれになってしまったけれども、一貫して男である。

 

さて、男からすごい洗礼を受けた。

一番すごかったのは中1の時、上級生から受けた性的ないたずらである。

まだ、男と女がセックスするということも知らない時だった。

 

未遂に終わってよかった。

俺の肛門も、口もその上級生のペニスに比べて小さすぎて、力で押し入れても入らなかったのである。

上級生は結果的にあきらめたが、その屈辱を俺は忘れない。

 

それ以来、俺は注意して慎重に行動した。

俺は胸を押しつぶすためのブラを最初は自作してつけた。

俺は、プールの時は女性の競泳用の水着を着て、皆を刺激しないようにした。

クラスメートは俺のからだのことは知っていて、いつも視線を感じた。

修学旅行では男子と風呂に入ると、例外なくみんな勃起して、妙な雰囲気になるので、一人で入った。

(ただし、俺の入浴をのぞき見するやつが一杯いた。)

髪型はいつも、女子がやるスポーツ刈りで通した。

坊主刈りとか、角刈りにすると、より女子に見えたから画像の髪形に落ち着いた。

 

 

自分のことを私とか僕とは言わなかった。俺で通した。

 

俺みたいなのは、専門の内分泌化に行くと、男で行くのか、女になるのか、どっちに行くのか聞かれるらしい。

たいていは女になった方が楽という。

 

俺は家が貧乏だったから、異変に気付いたとき医者に行けなかった。

もっと早く気づいていれば、投薬治療で何とかなったかもしれない。

 

俺は見てくれは女であったけれども、一貫して男であった。

男に求められたことはあるが、一切拒絶し、男としたことはない。

 

大の女好きだった。

女の判断基準は極めて厳しかった。

俺より綺麗な、いい女である。

こういう場合、レズとは言わない。

そもそも俺は男の性器を持っているし、まったく望まないが、いい女の外見に勝手になった。

それでも一貫して心は男なのだ。

自慰は女を想像してやった。

 

男から口説かれたことは頻繁にあった。

学生時代なら、男と二人で勉強したり、男と遊んだりするのは避けた。

大人になって、男と二人で飲み歩くことはできるだけ避けた。

男と二人になると、かならず、言い寄って、誘ってくる。

 

それでも事故は起こる。

40代後半の時、宴会の後、エレベーターで降りる時、会社の専務から壁ドンされてキスされ、舌を入れられた。

俺も酔っていて、油断していて何が起こったかわからなかった。

二次会のスナックで、その専務から今までずっと想ってきたことを告られ、いっそのことそういう関係になってくれと言われた。

50代でもいろいろ口説かれた。

60歳の時、学生時代にやっていた武道部の尊敬していたOBが、OB会の宴会の席で2人で話し込んでいるとき、俺の髪の毛を撫でまわし、頬を手のひらで包み、抱き寄せた。

若い頃は一切そんなことはなかった筋道通さんだったが、ショックだった。

 

この歳になって、そんなことがありうるか?

俺はみんなのいる宴会でも、2人で話し込むのを避けるようになった。

 

死ぬまで用心しないと。

と俺は思った。