カピバラ父です。

双極性障害1型です。

 

よく家族で筏に乗って水域を漂流するイメージに取りつかれることがあります。

 

特にADHDの娘が荒れた時です。

家族みんなで仲良く上手く行った一日の終わりに必ずと言っていいほど絶叫し、その日一日の努力を台無しにされます。

絶叫は、ほぼ毎日のことですが、刃物を持って暴れるなど激しいときは私は途方にくれます。

 

椎名誠の小説に「雨が止んだら」という名作があります。

もう何十年前、随分と昔に読んで、読み返そうと思って探したら、妻がメルカリに売っていました。

うろ覚えですが、あらすじを書きます。

 

南国の太陽が燦燦とした島に記憶を失った男が仲間と一緒に住んでいました。

男が、サンゴが砕けた白浜を歩いていると、木箱が漂着しているのを見つけました。

中を開けてみると水に濡れて膨らんだノートときらきら光るプリズムがありました。

 

男はノートを乾かして、読みました。

ノートは日記のようでした。

小学校1年生の女の子が書いた、お父さんとお母さんとの暮らしを女の子の視点から綴ったものでした。

 

雨が毎日、毎日降り続けました。

(たぶん半年、1年、書いてないからわからない)

あちこちで道路が陥没して大きな穴が開いていきました。

お母さんは食べ物を調達するのに毎日駆けまわっていました。

お父さんは仕事にいかず、家の修理ばかりしていました。

今日〇〇ちゃんの家が水没して見えなくなりました。

遠くに見えていたスーパーが3階部分しか見えなくなりました。

筏で逃げる人がいっぱいです。

私の家も畳がズブズブになり、お父さんはとうとう筏で逃げる決心をしました。

 

日記はそこで終わっていました。

 

仲間の〇〇2世と呼ばれる男がしきりにプリズムを太陽にかざして見ている間、記憶を失った男は女の子の日記を読みながら泣き続けるのでした。

 

物語はここでおしまい。

何の説明もありません。

 

私は、よく水域を家族3人が筏に乗って漂流する感覚に捕らわれます。

もう途方もないです。

 

特に娘が荒れた日もそうですが、それに派遣社員である私の身分が危うい今日この頃の状況が拍車をかけます。