60代カピバラ父です。
こんな爺のところに訪問くださりありがとうございます。
たぶん男は何歳になってもトキメイテいたいと思います。
私はこの歳になってもトキメキを探しています。
私は実年齢60代だけど、見た目は20歳若く見られます。
実年齢を言うと、みんなから「えッ!?」と驚かれます。
髪はふさふさだし、肌の色つやは良いです。
だから、電車とかバスで席を譲られたことはありません。
さて、ちょっと昔の話です。ネットを見ているとマッチングアプリというのが目に飛び込んできました。
調べてみると男女が知り合えるらしい。
私はネットがおすすめの会費がタダの4大メジャーに登録しました。
かなり美人さんがいます。
その中でも美人で、巨乳で、美脚で、背が高くて、清楚な感じの20代のOLのお嬢さんにダメもとで「いいね」しました。
そうしたらあちらからも「いいね」が帰ってきてマッチング成立となりました。
そこで、メッセージを送ったところ、今度会おうということになりました。
お嬢さんは彩美と言いました。
私は嬉しくてたまりませんでした。
私は夢中で自宅の家族共用のデスクトップPCで彩美さんとチャットをしました。
読書におすすめの本や、夜眠れない時のための一人子守唄なども教えたりしました。
彩美さんにとって、私はさぞかしウザかったろうと思います。
さて、その様子を背後から忍者のように観察していたやつがいます。
私は全く気づきませんでした。
その当時高校生の美大に入る勉強をしているADHDの娘でした。
娘は視力がいいので、私のはじけた文章や、彩美さんの容姿を記憶しました。
いちいち嫁にチクっていたようです。
同時に彩美さんとのやり取りは携帯のメールともリンクしていました。
携帯のアカウントは20年以上も前に、初めて携帯を購入した時、嫁が登録したものです。
嫁にすべて筒抜けでした。
筒抜け状態だけれども、嫁は娘からの通報がなければ、わざわざ携帯をチェックしません。
一方、私は彩美さんとカラオケに行きたいと思いました。
イタリアオペラのアリアを熱唱して彩美さんに気に入ってもらおうと思ったのです。
カラオケにイタリア歌曲はあるのです。
彩美さんはサポート2くれるならカラオケに行ってもいいわよと言いました。
ん?サポートって何?
私はそれまで利用したことのないYH知恵袋のアカウントを作り、事情を説明し、サポート2というのは何ですか?と質問しました。
動揺していたのかハンドルネームは実名のカピバラのままでした。
回答者も色々いて、いろいろな回答が1時間以内に10ほど集まりました。
たいがいは、私を小馬鹿にして、いじるのが多かったです。
以下回答例です。
1,これは釣りやな。文章がスムーズすぎる。58歳やない。若いで。
2,58にもなって、マッチングアプリとは情けない!
3、そんなことも知らないで、今まで生きて来たのかね?
4、サポートいうのはいわゆるサービス料金のことで、2は2万円のことです。
5、あと2出したら、ホテル代は別でやれるよ。交渉次第です。頑張って。
私は5番の人をベストアンサーにして、勢い余って頑張りますとまで言ってしまいました。
いざ食事する店を決めて連絡したところで、私は嫁にお縄となりました。
娘がYH知恵袋の私が投稿した文章を印刷して、勝ち誇ったように見せました。
私は有り金をすべて没収され、この先半年小遣いなしを言い渡されました。
娘が私と彩美さんのマッチングアプリでの出会いから、ラブホに入り、裸で抱き合うまでのストーリーをリアルな絵本として描き、私をからかいました。
私は娘と二人でいる時、しこたま娘を説教しました。
誰でも、スナックとか行って、憂さを晴らすだろ?
マッチングアプリだって一緒だろ?食事だけだろ?
私は娘がお年玉とか郵便貯金にしているのを思い出し、そのカネを全部よこせと言いました。
娘は郵便貯金の通帳を持って来ました。
10万円しか入っていませんでした。
こんなはした金しかないのか?
私は腹が立ち、娘にビンタを食らわせました。
運悪く私の手は、娘の鼻をヒットし、娘はいつものごとく、派手に鼻血を出しました。
娘は梅干しのように顔を膨らまし、涙を流し、鼻水も流していました。
大変醜かったです。
丁度アゲハか何かの幼虫を棒か何かで突っついたとき、なにやらツノが出て、色彩や、匂いが出て敵を威嚇するような感じです。
こいつはこんな技を持っていたのか?
私はたじろいで、後ろに引きさがりました。
とにかく早くカネを下ろして来い。
ダメです。印鑑がありません。
そこらへんの印鑑持って行って登録して来い!
娘は郵便局に走りましたが、登録に2週間かかるとのことです。
万事休すです。
彩美さんに事情を説明して、今回は行けないと言いました。
彩美さんは、5千円くれたら30分お茶のコースがあると言いました。
私は、お!それはいいなと思いました。
娘が、カネがなくてあんまり私がめげているので5千円貸してくれました。
私はその5千円で別の女性に会いました。
他の女性ともマッチング成立していたのです。
彩美さんは何となくプロの匂いがしたのでやめました。
別の女性は真央と言って、大学院の博士課程で源氏物語を研究していました。
私は教養のある女性が好きなのです。
時間は30分でしたが、40分に延長してくれました。
真央さんは、源氏物語は詳しいのですが、まだ全巻読んでないようでした。
私は、方丈記とか、枕草子に話を振りましたが、真央さんは知識がなくついて来られません。
現代文学も、村上春樹がちょっとわかる程度です。
あんまり話が膨らまず、存外に博士課程というのも大したことがないなと思いました。
それよりは、巨乳の彩美さんと会った方が良かったのかもと思案しながら家路につきました。
一番私の胸に去来したのは、一時の感情に任せて、娘をぶったことでした。
私は最低なオヤジです。
この事件は生涯言われるだろうな。